ドラフト会議が本日(24日)の17時から行われる。高校生でドラフト1位が予想されるのは藤田 琉生投手(東海大相模)だ。198センチ93キロと高校生離れした体格から最速150キロのストレート、ナックルカーブ、チェンジアップ、スライダーの3種類を操り、夏の神奈川大会では、20.1回を投げ、17奪三振、防御率1.77、そして夏の甲子園では21.1回を投げ、18奪三振、防御率0.84と申し分ないアピールを見せた。大型左腕というと、やや粗削りな印象を受けるが、藤田はそんなところが見られない。夏の大会を振り返っていきたい。
春の時点から公式戦で完封勝利するなど成長を見せていたが、物足りなさを感じたのはストレートで、春までの最速は143キロだった。しかし夏の大会では順調にスピードアップし、準々決勝の日大藤沢戦では最速148キロ、平均球速142.28キロ、甲子園初戦の富山商戦では最速147キロ、平均球速142.11キロと、先発ながら安定して140キロ台を計測。大学日本代表との壮行試合ではリリーフで平均球速146.5キロと大学生に負けないスピードを見せた。198センチから振り下ろす直球は角度があり、他の投手にはない強みがある。
一方で変化球の精度が高く、特に決め球のナックルカーブは高確率で三振が奪える。外側に逃げるチェンジアップも右打者から三振を奪うには有効的な球種となっており、投球も奥行きがある。
コントロールは大きく崩すところはないが、神奈川大会では20.1回を投げて与四球6、甲子園では21.1回を投げ、与四球は7とやや多い。ただその割に球数が多くなるタイプではなく、内野ゴロを打たせようとするところがあり、少ない球数で長いイニングを投げる意識が見られる。こうした投球を見ていると、先発向きの投手である。調整力の高さもあり、なかなか調子が上がらなければ、アップのやり方を変えて調子を上げることができる。
1年目はまず二軍でローテーションに入って、2年目から一軍登板。3年目以降から先発ローテーションという青写真が描ける投手だ。東海大相模出身の小笠原慎之介投手は中日9年間で46勝、規定投球回到達が4回と先発投手として活躍した。小笠原よりはデビューは遅いが、身長180センチの小笠原よりもスケールは大きく、NPBの世界では剛速球左腕として活躍する未来が見える。
いずれはMLBを狙える才能を持った投手だろう。将来像としてはドジャースのエース左腕・クレイトン・カーショウ。それほどスケールの大きい投手に育つのではないか。交渉権を手にした球団がどんな育成プランで藤田をエースに育てていくのか注目していきたい。
<藤田 琉生(ふじた りゅうせい)プロフィール>
左投げ左打ち 2006年11月17日生まれ 198センチ93キロ 神奈川県藤沢市出身
小学校1年生の時に羽鳥ファイターズで野球を始める、当初は投手も最終学年ではショートも経験
中学時代は湘南ボーイズに所属、東海大相模では1年春に背番号18でベンチ入り、3年時から背番号1を背負う
最終学年でエースとして神奈川大会を制覇、自身初の甲子園でベスト8に導く
高校日本代表に選出、U-18アジア大会で準優勝を経験
好きな言葉:勝った時こそ謙虚に
趣味:体を動かすこと
好きな食べ物:たこ焼き