毎年、逸材を輩出する福岡大大濠。昨年は強打の捕手・藤田 悠太郎がソフトバンクから7位指名を受けた。そして今年もまた高卒プロを狙える選手が現れた。

 その名は柴田 獅子投手。190センチ85キロという長身から150キロに迫る速球を投げ込む。九州担当のスカウトからは「長身でフォームがよく、伸びしろがある」と高い評価されていた。7月6日の博多工戦で5回無安打無失点の快投。140キロ台後半の速球を投げ込み、スカウトの評価をさらに高めた。

 福岡大大濠出身のプロ入り右腕をあげると、大石 達也投手(元西武)、濱地 真澄投手(阪神)、山下 舜平大投手(オリックス)らがいるが、柴田は濱地寄りの投手ではないか。柴田が評価されているのは長身でありながら、バランス感覚が優れたフォームであること。左足がしっかりと立った足上げ、体重移動、テークバック、フィニッシュまでの一連の流れが非常に綺麗で、この長身で体をうまく使いこなす技術の高さは秀逸だ。

 春の投球と比べると明らかに直球の球威が増している。左足に体重が乗って、指にかかったときのストレートは140キロ台中盤~後半の速球を投げ込んでおり、回転数、回転効率も高そうな質の良いストレートを投げている。

 プロの投手と比べるとまだ細身なので、しっかりと筋肉がついて、ストレートにも反映すれば、常時150キロ超えも十分に狙える投手ではないか。

 コントロール重視でも勢いのあるストレートを投げ込んでおり、ここ一番のストレートは簡単に前に飛ばさせないほどの威力がある。コントロールのばらつきも少なく、スキが見当たらない。

 変化球は小さく曲がるカットボール、スラーブ的なスライダーがあり、左打者の内角へ投げ込んでいた。

 昨年は身長185センチの木村 優人投手(霞ヶ浦)がロッテ3位、身長186センチの坂井 陽翔投手(滝川二)が楽天2位指名され、完成度の高い長身投手は人気だ。今年は188センチの今朝丸 裕喜投手(報徳学園)が世代No.1右腕と評価されているが、今朝丸の投球と比較しても見劣る部分はない。このまま快投を続け、甲子園出場すれば、ドラフト上位は確実ではないか。

<柴田獅子投手(しばた・れお)プロフィール>
右投げ左打ち 190センチ85キロ
福岡県飯塚市出身
庄内中出身 フレッシュ・飯塚レパーズでプレー
2年秋から背番号1。
打者としても5番を打ち、昨秋は準々決勝以降の3試合で10打数6安打の活躍を見せ、現在、高校通算18本塁打。