来春の第97回センバツ高校野球大会の東海地区選考の重要資料となる第77回秋季東海地区高校野球大会は、26日に静岡草薙球場でベスト4が激突する準決勝が行われる。静岡の常葉大菊川、愛知の至学館、岐阜の大垣日大の各県1位校と岐阜3位の岐阜第一が勝ち残っている。試合の見所を紹介したい。
今秋の東海地区大会は、この夏の選手権に出場した三重県の菰野、愛知県の中京大中京、静岡県の掛川西がいずれも県大会2位校として東海大会に出場した。つまり、夏春の連続出場のチャンスを有するチームが3校もあったということである。「今大会は2位校が強いし、カギとなる」とも言われていた。しかし、菰野と掛川西はいずれも1回戦敗退。最も有力と目されていた中京大中京も1回戦は宇治山田商に辛勝したものの、2回戦では大垣日大に先制しながらもミスで追いつかれ、延長10回タイブレークで屈した。
結果として、1位校が3校と岐阜県3位校の岐阜第一が4強に残った。東海地区は昨年からセンバツ3枠となったので、決勝進出を果たせば、かなりの確率でセンバツに選出されることになる。
破壊力抜群の打線がウリの常葉大菊川が優勢か?至学館は粘り強い野球で食い下がりたい
常葉大菊川と至学館の試合は、静岡県大会でも安定した戦いぶりを示してきた常葉大菊川が、戦力的には至学館よりやや上かと思われる。東海大会では2回戦で岐阜2位の中京に初回、先取点は奪われたものの、序盤で追いつき中盤に逆転。早いカウントから積極的に打って行くスタイルは、かつてセンバツを制した時の「常葉野球」を彷彿とさせる。今秋も県大会の静岡との初戦や東海大静岡翔洋との準決勝などでも、そんな形で快勝してきた。左腕の大村 昂輝投手(2年)は、力で抑え込むタイプではないが、丁寧な投球でかわす投球術を見せる。
至学館は昨秋から麻王義之前監督を引き継いだ鈴木健介監督となっても、機動力を生かしたミラクルぶりは健在だ。今チームは尾﨑 陽真投手、井口 睦丈捕手のバッテリーをはじめ、一桁番号のうち6人が1年生という若いチーム。鈴木監督は、「2年生の総数が少ないので、チーム構成上たまたまこうなった」と言うが、ベンチも元気がよく、各選手が伸び伸びとプレーしている。2回戦では、聖隷クリストファーを尾﨑投手が4安打完封。守りの固さも示している。常葉大菊川の攻撃野球を至学館がどう防いでいくのかが見どころとなりそうだ。
尾﨑 陽真(至学館)