指名のカギはストレートの回転数と回転軸

 ちなみにソフトバンク1位の村上泰斗投手(神戸弘陵)は180センチ73キロと今の時代の投手では平均的な身長だが、回転数の高さなど球質の良さを高く評価された投手だ。高倉監督はスカウトと話をして、高身長ではない投手の評価ポイントも語った。

「スカウトの方によると、プロで活躍する長身ではない投手は、長身投手の強みである角度は使えませんが、その分、伸びのあるストレートを投げることが求められます。今は伸びのあるストレートが回転数、回転軸と可視化できる時代になりました。我が校の投手はその点も大事にしています」

 菊地の広島5位指名は菊地本人の努力はもちろんだが、高倉監督の熱意を持った計画的な育成の賜物だろう。「カープのイメージは練習も厳しくて野武士的な球団。菊地に合っていると思っていますし、期待しております。これからは広島に行く機会が増えますね」(高倉監督)

 大化けの要素を秘めた菊地は広島で恵まれた素質を開花できるか。高身長投手の指名の流れは来年以降も続いていくだろう。

【今年のドラフトで指名された185センチ以上の投手】

日本ハム1位 柴田 獅子福岡大大濠)189センチ86キロ

日本ハム2位 藤田 琉生(東海大相模)198センチ96キロ

日本ハム4位 清水 大暉(前橋商)  193センチ92キロ

西武3位   狩生 聖真(佐伯鶴城) 186センチ73キロ

西武育成1位 冨士 大和大宮東)  186センチ78キロ

オリックス3位 山口 廉王(仙台育英)193センチ95キロ

オリックス育成3位 乾 健斗(霞ヶ浦)188センチ88キロ

ソフトバンク育成1位 古川 遼(日本学園)190センチ80キロ

ソフトバンク育成5位 河野伸一朗(宮崎学園)190センチ76キロ

中日6位 有馬 惠叶(聖カタリナ)190センチ78キロ

広島5位 菊地 ハルン千葉学芸)200センチ110キロ

広島育成1位 小船 翼(知徳)  198センチ110キロ

阪神2位 今朝丸 裕喜報徳学園)188センチ80キロ

巨人4位 石田 充冴(北星大付)192センチ87キロ

巨人育成1位 堀江 正太郎文星芸大付)187センチ88キロ

巨人育成4位 吹田 志道(弘前学院聖愛)188センチ83キロ