<秋季関東地区高校野球大会:つくば秀英5-3拓大紅陵>◇26日◇1回戦◇サーティーフォー保土ヶ谷球場
つくば秀英(茨城)が拓大紅陵(千葉)を下してベスト8進出。背番号1を背負う羽富 玲央投手 (2年)が好救援でチームを勝利に導いた。
試合序盤は拓大紅陵ペースで始まった。先発の中郷 泰臣投手(2年)が制球が定まらず初回から2失点。羽富は一死満塁の場面からマウンドを受けたが至って冷静だ。「元々シュート気味だった」最速141キロの直球を軸にスライダー、カーブ、チェンジアップと多彩な変化球で的を絞らせず、5回には一死三塁の窮地も招いたが三振、中飛と要所を締めた。
好投で流れを呼び戻したチームは反撃に転じて逆転。援護を受けた右腕も経験を重ねる中で成長したというスタミナも発揮して9回144球の熱投を見せた、決勝点をあげた主将の吉田 侑真内野手(2年)は、「今日は先発の中郷(泰臣投手・2年)が調子の悪い中、エースとして最後まで投げきってくれて嬉しかった」と賛辞を送った。
次戦の浦和実(埼玉)に勝てば、関東で4強に入り、春夏通じて同校初となるセンバツ大会が確実視される。「行ったことのない場所なので。本当に夢と言うか…。」。未だ想像はできていないが、あと一歩に迫っている聖地のイメージを膨らませる。
高校生になってからテレビを通して見るようになった甲子園。今夏甲子園の決勝に進んだ関東第一には、中学時代プレーした取手シニアの先輩にあたる坂本 慎太郎外野手(2年)もおり、「羨ましいですし、憧れます。自分も甲子園に行きたいです」と同じ舞台に立つことを夢にみている。
今夏の茨城大会では決勝まで上り詰めたがあと一つのところで敗れてしまった。夏のリベンジに燃える羽富は、大一番を前に「次勝たないと意味がない」と語気を強める。主将の吉田も「夏は2年生が多くベンチを入っていたので、その悔しさは全員が忘れずにやってきました」と語り、今度こそ聖地への切符を掴みに行く。