<秋季近畿地区高校野球大会:智弁和歌山5-0神戸学院大付>◇26日◇1回戦◇ほっともっとフィールド神戸
智弁和歌山(和歌山1位)が完封リレーで神戸学院大付(兵庫2位)に快勝。2年ぶりのセンバツ出場に一歩前進した。
勝利に貢献したのは5番捕手の山田 凜虎(1年)。打っては4打数3安打2打点、守っても先輩投手の渡邉 颯人(2年)と宮口 龍斗(2年)を巧みにリードした。
愛知県出身で、中学時代は東海中央ボーイズでプレー。小野 舜友投手(横浜)とともに「中学BIG5」と騒がれる存在だった。「中谷(仁)監督がプロでやってきたことを学びたい」とプロで15年プレーした中谷監督率いる智弁和歌山に進学した。この夏の甲子園も経験した。
「今年はバッテリーのチーム」(中谷監督)という中で1年生ながら正捕手を任されている。「とにかく今はピッチャーをリードしてくれたら」と守備面を期待されていたが、「どんどん初球から振れていた」とこの日はバットでも魅せた。
1回裏、二死一、二塁から左翼線に適時二塁打を放ち、チームに先制点をもたらす。4回裏の第二打席では先頭打者として、左中間の二塁打で出塁。一死三塁から7番・大谷 魁亜(2年)のスクイズ(記録は内野安打)で生還した。
さらに4対0で迎えた7回裏の第4打席では二死三塁から左前適時打でダメ押し点を演出。ポイントゲッターとしてこれ以上ない働きを見せた。
守備面でも2投手の鋭く曲がる変化球をしっかり前で止め、後ろに逸らすことはなかった。先輩投手からの信頼も厚く、寮で同部屋の渡邉は「野球のことをよく話すので、新チームになったばかりですけど、信頼関係は少しずつできていると思います」と語る。
中谷イズムを吸収して捕手としてのスキルを着々と高めている山田凜。これからの智弁和歌山を担うキーマンとなりそうだ。
準々決勝では1回戦で大阪桐蔭(大阪2位)を下した滋賀学園(滋賀1位)と対戦する。「滋賀を勝ち上がった強さが今日の1回戦も出ていたと思います。苦しい戦いになると思いますが、切り替えて最善の準備をしたいと思います」と語った中谷監督。センバツを懸けた大一番は好ゲームが期待できそうだ。