今秋ドラフト1位候補の最速154キロ左腕・関西大の金丸夢斗(4年=神港橘)が0対0の8回裏から登板。3回52球を投げて、1安打1死球5奪三振で無失点に抑えた。球場のスピードガンでは最速で149キロを計測。チームは金丸が降板した直後の11回裏にサヨナラ負けを喫して、勝ち点を落としている。

春のリーグ戦で発症した腰の骨挫傷からの回復が遅れており、秋季リーグ開幕後はリリーフ登板が続いていた金丸。この日もベンチからのスタートとなり、7回からブルペンに入った。

試合は両チームの投手陣が好投を見せ、ともに得点が入らない状況が続く。1点が重くなる試合展開で金丸が投入された。

「序盤はちょっとコントロールのバラつきがあった」と先頭打者に死球を与え、その後、犠打と二ゴロで二死三塁のピンチを招くが、3番の田中陸(4年=東山)を中飛に打ち取り、得点を許さなかった。

「イニングを重ねるうちに自分の持ち味を出せるようになってきた」と1安打を浴びるも9回はドラフト候補の4番・竹内翔汰(4年=創志学園)を149キロのストレートで空振り三振を奪うなど、力のあるストレートを主体にこの回も無失点に抑える。

試合は0対0のまま延長戦に突入。当初は2イニングの予定だったが、打順が回ってこなかったこともあり、「もう後がなかったので、死ぬ気でというか、頑張って少しでも長いイニングを投げられるようにと思っていました」と10回もマウンドに上がった。

10回裏は三者連続三振の快投。「これがラストになるとわかっていたので、今出せる100%の力をしっかりと出して、結果的にも三振を取れたので良かったです」と頷いた。

今季はこれが3試合目の登板で。過去2試合はリードした最終回の1回だけ。今季初の複数イニングとなったが、実力を発揮することはできていた。現在の状態は本人曰く、「70%くらい」とのこと。少しずつではあるが、完全復調に向けて歩みを進めている。

11回表に金丸の打順で代打が出たため、これで降板。11回裏には前日の2回戦で先発して8回途中無失点の好投を見せた足立幸(3年=社)がマウンドに上がったが、一死一、二塁から5番・星野大和(2年=立命館宇治)に適時打を浴びてサヨナラ負けを喫した。

前節の近畿大戦に続いて2カード連続で勝ち点を落とした関西大。これでリーグ優勝は極めて厳しくなった。

「優勝は程遠くなってしまったんですけど、関大らしく最後までしっかりと戦い抜いて、少しでも順位を上げられるようにこの仲間としっかり野球ができたら」と次節に向けて気持ちを切り替えた金丸。21日からの同志社大戦ではどのような投球を見せてくれるだろうか。