10月24日にドラフト会議が行われ、大注目だった宗山 塁(広陵出身/明治大)は楽天、金丸 夢斗(神港橘出身/関西大)は中日がそれぞれ交渉権を獲得した。
そんななかパ・リーグで最下位に苦しんだ西武は宗山、石塚 裕惺(花咲徳栄)の抽選を外し、3回目の入札で齋藤 大翔(金沢)の交渉権を獲得。そして2位では長距離砲候補でもある渡部 聖弥(広陵出身/大阪商業大)を指名した。1位の齋藤は高卒ということもあり時間をかけて数年後の一軍デビューを目指すことになりそうだが、渡部は早い段階での戦力化が求められる。
その渡部は2位のなかでは最も早い全体13番目の指名で、ドラフト1位に限りなく近い扱いを受けることも多くある。かなり期待値が高くなるが、近年の全体13番目ではどのような選手が指名されていたのか振り返ってみたい。
2014年から2023年までの10年間において高卒は2020年の元 謙太(中京→オリックス)ただひとり。それ以外は大卒や社会人出身で即戦力の期待を受けて指名された選手が多かった。しかし早くから確固たる成績を残した選手は多くない。
過去10年を見ると規定打席に到達したことがあるのは藤岡 裕大(岡山理大付→亜細亜大→トヨタ自動車→2017年ロッテ)だけ。その他では捕手で併用されている太田 光(広陵→大阪商業大→2018年楽天)が目立つくらい。
投手で規定投球回に到達した選手は1人もいない。金村 尚真(岡山学芸館→富士大→2022年日本ハム)が2年目の今シーズン136回を投げているのが、シーズンの最多投球回だ。
中継ぎとして50試合以上の登板経験があるのも風張 蓮(伊保内→東農大北海道オホーツク→2015年ヤクルト)と黒木 優太(橘学苑→立正大→2016年オリックス)の2人だけ。それも1度ずつだ。
もちろん現役の選手も多く将来的に開花する可能性はもちろんあるが、現状では藤岡と金村をのぞいてなかなか戦力になりきれていない。
はたして渡部はどうだろうか。そのバットに注目が集まる。
<過去10年の全体13番目(2位の最初)の指名選手>
2017年:藤岡 裕大(岡山理大付→亜細亜大→トヨタ自動車→ロッテ)
2015年:吉持 亮汰(広陵→大阪商業大→楽天)
2014年:風張 蓮(伊保内→東農大北海道オホーツク→ヤクルト)