<秋季関東地区高校野球大会:千葉黎明5-2山梨学院>◇29日◇準々決勝◇サーティーフォー保土ヶ谷球場
千葉黎明(千葉)がベスト4進出を果たし、同校初の甲子園出場に大きく前進。山梨学院との大一番で試合を締めたのは岩下 竜典投手(1年)だった。
最後まで自慢の直球を貫いた。最速は練習試合で計測した140キロ。スリークォーターから力強い球を投げ込む速球派右腕は、今秋の千葉県大会予選で公式戦デビューを果たし、中継ぎとしてチームを支えてきた。この日も終盤の8回からマウンドに上がり2回無失点。最後の打者を併殺打に打ち取ったのも真っすぐだった。
初の甲子園が目前となったマウンドにも「あまり緊張しなかった」。8、9回ともに先頭打者に出塁を許したが、動揺するそぶりはなく、精神面の強さも垣間見える。中野 大地監督も「気持ちを込めて臆さず投げてくれる。試合終盤では一番大事な要素なので頼もしい」と称賛。指揮官から期待を受ける右腕は、「言われたからには自分の力を発揮できるように準備していきたい」とさらなる活躍を誓っている。
そんな岩下の刺激となっているのが、同学年で先発を任された飯高 聖也投手(1年)だ。身長187センチの長身左腕は、最速127キロと決して球は早くないものの、「テンポと制球力が武器」と山梨学院打線を4回途中1失点に抑えた。今秋の千葉大会決勝でも先発のマウンドを任された飯高に、「負けられない。いつかは自分も先発したい」と闘志を燃やす。投球スタイルは違えど、良きライバルとして互いを高め合っていく存在だ。
「将来的には160キロを投げたい」と夢も大きい。「体を大きくして瞬発力もあげていきたい」と意気込む右腕の投球は今後も要注目だ。