来年2025年春のセンバツ選考の重要参考資料となる秋季地区大会は11月から、終盤戦に突入する。3日までに関東、東京、近畿、中国、四国、九州地区の決勝が行われ、7日の東京で全大会が終了する予定となっている。
ここまで、すでに秋季大会上位成績を収め、来年センバツ出場へ大きく前進しているのは、19校。そのうち、和歌山、沖縄では2校ずつが入った。和歌山は市和歌山と、智弁和歌山。沖縄はエナジックスポーツ、沖縄尚学。実は、もし、来年のセンバツ出場校で、同一都道府県からの複数校選出が、この2県のままとすれば、1971以来、54年ぶりのことになる。
今後、準決勝が予定されている中国と四国は重複する県がなく、同一県から複数校が「当確」することはない。東北も4強に入っている高校の県の重複はない。可能性があるのは東京に加え、東海、関東、近畿。関東で群馬、近畿で滋賀、東海で岐阜から複数選出の可能性はある。もちろん、21世紀枠、明治神宮枠での選出もあり、複数選出は増えるかもしれないが、このまま2県だけの可能性も十分あるとみている。
今年は大阪3校が近畿4強に残れなかった。もし来年のセンバツに大阪勢が選出されなかったら、98年ぶりになる。九州では鹿児島勢、東北では宮城勢がそれぞれ4強に入れなかった。
その一方で、沖縄のエナジックスポーツや、関東の浦和実(埼玉)、千葉黎明(千葉)のように、初めてセンバツに出場する可能性が高い「新たな顔」も増えている。各都道府県の強豪校の高い壁をしっかり乗り越えてきている。
まだまだ途中経過ではあるが、今年の秋季大会全体を見渡すと、地区で勝ち上がった高校が一定の都道府県に固まらずに分散されている傾向があるような印象がある。四国は顕著な例で、この秋季大会では4県からそれぞれ県の優勝校が4強に入った。
26校選出時代だった53年前、同一複数校選出の都道府県は、大阪(近大付、大鉄=現・阪南大)と奈良(郡山、一条)だった。32校選出がスタンダードになった1983年以降、同一選出の都道府県が「3」だったことも、3度しかない。2017年は9都道府県(岩手、群馬、東京、大阪、兵庫、奈良、高知、福岡、熊本)から複数選出されたこともあった。
もしかしたら、来年のセンバツ出場校は、近年まれな「地域分散型」の顔ぶれとなるかもしれない。