ドラフト会議の成果は1年でわかるものではなく、5年から10年かかってやっと答えがでてくるものだ。では今から5年前(2019年)のドラフト会議で指名を受けた選手たちは、2024年シーズン現在で戦力となっているのだろうか。球団ごとに振り返ってみたい。
楽天は佐々木 朗希(大船渡出身/現ロッテ)を抽選で外し、小深田 大翔(神戸国際大付出身/近畿大→大阪ガス)を指名した。高卒の投手から大卒社会人の内野手へと大きな方向転換だった。その小深田はここまで確固たる戦力となっている。1年目から5年連続で規定打席に到達し2023年には盗塁王も獲得した。もともとショートを守っていたが、セカンド、サード、そして外野も任されており、今年はセカンドで133試合に出場し守備率.993と結果を残している。
その他では6位の瀧中 瞭太(高島出身/龍谷大→ホンダ鈴鹿)が2年目に2桁勝利を達成した。以降、伸び悩んでいる感はあるものの今シーズンは12試合の登板で4勝をマーク。来シーズンも先発ローテーションを争う立ち位置となりそうだ。
その他の選手たちは目立った成績を残すことができていない。2位の黒川 史陽(智弁和歌山出身)、4位の武藤 敦貴(都城東出身)、7位の水上 桂(明石商出身)といった高卒組はそろそろ戦力となりたいところだが苦戦中。もっとも期待されている黒川は2021年に34試合に出場するも一軍に定着できず、今年は22試合の出場で打率.232(56-13)と結果を残すことができなかった。
武藤は2021年、2022年に連続して40試合以上に出場するも2023年は出場がなく、今年も7試合の出場にとどまった。水上は一軍出場がここまでなく、現在は育成契約となっている。
ルーキーイヤーに中継ぎとして33試合に登板した津留﨑 大成(慶応出身/慶応義塾大)も以降は苦しんでおり、同年がキャリアハイとなっている。5位の福森 耀真(北九州出身/九州産業大)は2023年に戦力外通告を受けた。
このように小深田がレギュラーに定着したが、その他の選手は苦しんでいるのが現状だ。黒川、武藤ら高卒組から一軍に定着する選手が出てくるかがこのドラフトの成否を分けそうだ。
<2019年ドラフト会議で楽天が指名した選手>
1位:小深田 大翔(神戸国際大付高→近畿大→大阪ガス)
2位:黒川 史陽(智弁和歌山高)
3位:津留﨑 大成(慶応高→慶応義塾大)
4位:武藤 敦貴(都城東高)
5位:福森 耀真(北九州高→九州産業大)※2023年に戦力外通告
6位:瀧中 瞭太(高島高→龍谷大→ホンダ鈴鹿)
7位:水上 桂(明石商高)※2024年は育成契約
育1位:江川 侑斗(大分高)
育2位:小峯 新陸(鹿児島城西高)※2024年に戦力外通告
育3位:山﨑 真彰(東京学館浦安高→東京国際大(中退)→ハワイ大)※2022年に戦力外通告
育4位:澤野 聖悠(誉高) ※2024年に戦力外通告