<第49回社会人野球日本選手権大会:TDK 6-4日本新薬>10月31日◇1回戦◇京セラドーム大阪
日本新薬期待のルーキー・遠藤 慎也(京都翔英-亜細亜大)が2大大会デビュー。先発して2回途中6失点と苦しい投球となった。
遠藤は最速152キロの本格派右腕。近畿地区最終予選では3試合全てで先発を任され、24回3分の1で自責点1と本戦出場の立役者となった。
この日は初回に150キロを計測するなど、調子は悪くなかったが、2回表に連打と自らの野選で無死満塁のピンチを招く。何とか粘りを見せたいところではあったが、そこから4本の適時打と1本の犠飛を浴びて6失点で降板。この回に取れたアウトは犠飛による一つのみだった。
「自分の中で打ち取った打球も落ちたり、頭を越えたりして、自分のフィールディングミスもあった。完全に後手に回って、相手が勢いづけるようなプレーを自らしてしまった。映像で見たら、捕手が要求していたところよりも内側に入ったりとか、コントロールミスがあったので、そういったところがいいところに飛ぶ要因だったと思います」と振り勝った遠藤。調子自体は決して悪くなかったが、わずかなコントロールミスを相手は許してくれなかった。
「予選でもたくさん投げてデータもある中で、何か予選と違ったような形で投げれば良かったのかなと。予選と同じような形で真っすぐで押すピッチングでは通用しないなというのを感じました。投球術というか、巧さがまだ自分にはないと感じました」
研究を重ねてきた相手から見事に攻略されてしまった遠藤。投球の引き出しを増やす必要があると本人は感じたようだ。
「冬を越えた時には一回りも二回りも体も心も含めてもっとスケールアップできるように結果に貪欲にやっていきたいです」とさらなる成長を誓う。
前日には高校の同期であるソフトバンクの岩井 俊介(京都翔英-名城大)が日本シリーズで登板。「これ以上点をやれない状況で投げているのはチームや監督から信頼されているピッチャーだと思うので、負けん気の強さを自分も見習っていきたいです」と遠藤も刺激を受けている。
来年はドラフト指名解禁と年となる。「もちろんプロを目指していますが、チームとしても個人としても結果を残さないといけないので、こういう大きい舞台で活躍して、チームを勝たせられるようなピッチャーになりたいです」と話した遠藤。この悔しさが来年への糧となる。