この夏、ベスト8入りした大社(島根)からプロ志望届を提出したのが、「1番・センター」の藤原佑(3年)だ。夏の島根大会で、打率.667、12盗塁を記録した。甲子園では4試合で3安打に終わったが、4盗塁を記録し、抜群の俊足をアピールした。
大社といえば、第1回の地方大会から皆勤を続けており、大正、昭和、平成、令和の4元号での甲子園出場するなど、高校野球の歴史に名を残す学校だが、プロ野球選手のOBは少ない。過去のドラフト会議を振り返ってみると、大社からドラフト指名を受けたのは曽田康二投手の1人だけしかいない。曽田に甲子園出場の経験はなく、同校を卒業後に日本通運へ入団。1977年のドラフト会議で巨人から3位指名を受けた。しかし入団を拒否して日本通運でプレーを続けた。その後、ドラフト指名を受けることはなかったが、ドラフト外で中日に入団した。
曽田は1年目から20試合に登板し5勝4敗、防御率3.70とまずまずの成績を残す。しかしその後は低迷。1985年に39試合の登板で5勝8敗、防御率4.58の数字を残したのが目立つくらい。1987年オフに日本ハムへ交換トレードで移籍したが、日本ハムでは出番なく1988年に現役を引退した。
曽田以降、大社出身の選手でドラフト指名を受けた選手はいない。また、曽田は日本通運在籍時の指名だったため、高校在籍時の指名が実現すれば、学校としては初となる。
今年、プロ志望届を提出するのは、藤原だけだが、数年後、大躍進の原動力となったエース左腕・馬庭優太投手(3年)などその他の選手からNPBプレーヤーは誕生するだろうか。旋風を巻き起こした大社ナインの進路にも注目したい。