来る11月14日に12球団合同トライアウトが行われる。その翌日の15日からFA宣言の選手を含め、自由契約選手の交渉が解禁となる。

 今年の戦力外選手は12球団で136名だ。その中で現在獲得報道が出ている選手をまとめてみた。二軍成績が良い選手たちは人気となっているようだ。

 阪神・加治屋 蓮投手(宮崎・福島)は楽天が調査。今年は一軍で13試合を投げて、防御率4.50だったが、二軍では29試合、防御率0.68と敵なしの投球。どの試合でも常時140キロ後半の速球、140キロ前半のフォーク、130キロ中盤のカットボール、120キロ中盤のカーブを投げ込んでおり、今年、投手陣が苦しんだ楽天にとってはおすすめの投手ともいえる。

 DeNA・石川 達也投手(横浜)は巨人が調査。今季は15試合で防御率1.93の好成績を残した。巨人の中継ぎ陣の争いに入っていきそうだ。

 DeNA・楠本 泰史外野手(花咲徳栄)は阪神が調査。今季は二軍65試合で、打率.263、4本塁打、19打点を記録。22年から2年連続で93試合出場した強打の左打者だ。

 阪神・岩田 将貴投手(九産大九州)、ソフトバンク・笠谷 俊介投手(大分商)はDeNAが調査しているという。岩田は二軍46試合で、防御率2.11、1勝2敗。被安打率は.206、奪三振率は6.81。38.1回を投げて与四球はわずか5だった。DeNAはあまり左サイドがいないこともあり、差別化が図れる存在として獲得は大いにアリだ。笠谷は今季一軍登板はないが、二軍では24試合登板で、防御率2.82だった。一軍では通算74試合登板で7勝を挙げている。140キロ後半の速球を投げ込み、能力は高い。

 阪神の遠藤 成内野手(東海大相模)はオリックスが育成選手として獲得するか検討中と報じられた。遠藤はオリックスの秋季キャンプにテスト参加している。今季はウエスタンで最高出塁率のタイトルを獲得した。若手野手との競争になるが、まだまだ化ける可能性はある。

 ソフトバンクの仲田 慶介内野手(福岡大大濠)、日本ハム・黒木 優太投手(橘学苑)は西武が調査している。仲田は今季は二軍で打率4割を記録し、内外野を守れて、抜群の俊足、強肩を誇り、さらに練習姿勢も申し分ない。ソフトバンクは育成契約の意向を示しているが、他球団であれば、支配下登録で十分やれる選手だ。

 黒木は通算135試合登板経験のある速球投手で、育成枠での獲得を検討されている。

 今年もソフトバンクの戦力外組には逸材が多い。ウエスタン最優秀防御率を獲得した三浦 瑞樹投手(盛岡大付)や、ウエスタンで32試合で防御率2.36を記録している中村 亮太投手(千葉経済大付)らにも声がかかる可能性は十分にある。

 また、広島の育成・前川 誠太内野手(敦賀気比)は二軍64試合で打率.277、3本塁打、13打点、長打率.405を記録した21歳の遊撃手。今後の期待も大きい。

 交渉が解禁されるのは15日。何人が再びNPBで活躍する場を得るのか。注目したい。