第106回全国高校野球選手権大会の第4回運営委員会が15日に大阪市内で開かれ、前半3日間の3試合日に限って導入された朝・夕の2部制や暑さ対策についての代表校からのアンケートや効果などが報告された。
試合中の選手の熱中症は開幕から3日間の2部制では8件あり、1日平均は2.7件。4試合日で全日制に戻った4日日以降は50件あり、1日平均4.5件だった。
2部制3日間の8件の中で、夕方の部は半分の4件あった。当初は16時開始以降の試合では5回終了時のクーリングタイムを原則採用しないとしていたが、夕方の部で4件あったことを受けて、4日目から16時開始以降のゲームでもクーリングタイムを採用した。
主催者がクーリングタイムについて49校の部長・監督にアンケートをとったところ、効果があったとの回答が82%だった。背番号が各校に1人2枚ずつ配布され、試合中の着替え時間確保につながったことへの評価も高かった。一方で、「冷やしすぎや寒暖の差が不安」、「個人差もあるので、時間の使い方はチームの裁量に任せてほしい」、「救援投手の準備時間を長くしてほしい」、「10分は長すぎる」などの声もあがったという。代表校関係者からは、「クーリングタイム中にまだ試合に出ていない選手が外で2度目のアップをする時間にも充てたい」という声も聞かれた。
代表校には試合前の室内練習場などでおにぎりなどの補食が提供された。これについて、「提供があってよかった」という回答が92%を占めた。主催者では、「欲しがった場合に球場に用意されているという安心感が高い評価につながった」と受け止めている。一方で不要だったという声も4%あったという。
2部制は開幕から3日間の3試合日のみの採用だったが。熱中症対策として「効果がある」と78%の代表校が回答した。ただ、応援団の帰りが遅くなることなど最終試合終了時刻の遅さを懸念する声も目立った。今大会では16時から2試合を設定した大会初日の最終試合(岐阜城北vs智弁学園)の終了が21時36分。校歌を終えて退場し、応援団が地元に戻る時間が遅くなるという声が多かった。選手からも、「試合で21時をすぎたのは初めて」という声が聞かれた。3時間を超える試合が複数あった場合に遅い時刻になる可能性は今後も拭えない。逆に2日目と3日目は2部が1試合で17時開始に設定された。試合開始時刻が前の試合の影響を受けず、逆算して試合までのスケジュールを立てられる点を評価する代表校もあった。
1部と2部の観客の入れ替えについては、退場時間は30分で主催者の想定内。3日間とも大きな混乱はなく、2部の試合開始1時間前に再開門することができた。1部で試合時間が大幅に延びることもなかった。
観客の救護室での受診状況も、2部制の間は昨年から半減。暑い時間に試合を行わないことで減ったという見方ができる。ただし熱中症に近い症状が出ても救護室で受診しなかった観客がいることも考えられる。
主催者ではデータやアンケートを検証し、107回大会以降の大会につなげたいとしている。