プレミア12を戦う日本代表侍ジャパン投手陣のなかで、藤平 尚真横浜出身/楽天)が圧巻の投球を見せている。

 バンテリンドームで行われた親善試合のチェコ戦と開幕戦のオーストラリア戦、そして台湾に舞台を移して迎えた韓国戦でいずれも三者連続三振を奪う快投。それもすべて空振りとなっており無双状態だ。

 2016年ドラフト1位で指名を受け横浜高から楽天に入団した藤平は、野村克也元監督の背負っていた背番号「19」を与えられるなど、入団当初から大きな期待がかけられていた。

 ルーキーイヤーに8試合で3勝4敗、防御率2.28の成績を残すと2年目にも4勝をマークし順風満帆なスタートに見えたが、以降は伸び悩み2023年シーズンを終えたところでわずか10勝。結果を残すことができずにいた。

しかし今シーズンは中継ぎに転向すると47試合の登板で0勝1敗1セーブ、20ホールド、防御率1.75とブレイク。46回1/3を投げ58奪三振と奪三振能力も申し分なく、シーズン終盤にはセットアッパーとしての地位を確立した。K%(奪三振を奪う割合)は31.9%を記録し、30回以上を投げた投手の中ではチームトップでリーグ2位。球界を代表する奪三振マシーンになりつつある。

 今シーズンの楽天は則本 昂大(八幡商出身)が守護神を任された。しかし則本は10月に右足首の手術を受けており、現在はリハビリ中。開幕には問題なく間に合うと見られているが、万全の状態で復帰できるかはわからない。

 また、三木肇新監督が則本の起用法を現時点では明らかにしていない。また報道によると則本も「チームが必要とするポジションで投げたい。与えられた役割を全うする」とコメントしている。藤平がセットアッパーではなく守護神として起用される可能性も十分にありそうだ。

 <2024年シーズン成績>

藤平 尚真(横浜高→2016年楽天1位)

47試合(46回1/3)0勝1敗1S20H 防御率1.75 58奪三振