21日に甲子園を使って全国大会を開く準硬式。大会である以上、試合で勝敗を付けなければならないが、準硬式が大事にすることは文武両道の姿勢。さらには社会で通用する人材を育成することにある。
だから、19日から参加メンバーを集めて、研修などを開催。20日には今大会のスポンサーである三機サービスとの企業交流としてベースボール5。さらにはキャリアガイダンスなどを実施した。
ベースボール5は野球を原型にした新スポーツ。1チーム5人で5イニングかけて戦うアーバンスポーツ。2026年からはユースオリンピックの種目に追加されるストリート競技を通じて、参加メンバーは企業の方々と交流。プレーを通じて自然とコミュニケーションを取っている姿があり、このイベントの趣旨を理解している模様だった。
また宿舎に戻ってからも三機サービスによる説明会。体育会ナビによるキャリアガイダンスなど、交流夕食会を含めておよそ4時間のプログラムに取り組んだ。
特に今大会は3年生も多く呼ばれており、これから控える就職活動に向けて大事な時間。そういった背景はもちろんだが、プロジェクトリーダーの鈴置結希奈さんいわく、「通常の大会ではキャリアガイダンスを実施出来ない」ことを説明したうえで「この大会が価値あるものになるには、交流夕食会といった準硬式ならではの魅力を3日間で感じてもらうことにある」と話す。いかに甲子園大会全体にとっても大事な時間なのか、主張する。
そのおかげもあってか、参加した間亮太外野手(日大三出身)は、「少しずつ始めている段階だった」と現状を話したうえで、「同じように野球をやっている仲間同士でも、『就活どうするんだ』と話したり、先輩方に質問できる機会があったのは良かったです」と充実しているようだった。
就職活動が終わった4年生の篠原一球内野手(高松商出身)も「あらゆる仕事の話を聞くこと、経験することが大事だと改めて感じた」と話し、知らなかった業界を学べたことに感謝しているようだった。
野球だけをしていればいい、というのは準硬式にはない。文武両道はもちろんだが、社会で活躍できる人材を育てるから、他にはない準硬式だけの魅力が生まれている。それを今大会で経験した選手たちが社会で活躍し、準硬式に還元してくれるような流れが出来れば、より準硬式界は発展するだろう。野球界に限らず、あらゆる業界で参加メンバーが活躍する日が来ることを楽しみにしたい。