2024年も、あと1カ月あまりで終わろうとしている。今年の高校野球界を各都道府県別に振り返り、1年間の球児の熱い戦いを思い出してみたい。
「秋の全国大会」明治神宮大会で優勝を飾ったのは神奈川県の横浜だった。強力な投手陣を武器に、守りの野球を貫いて27年ぶりの快挙を手にした。第1回は、その神奈川県を振り返る。
春を制したのは武相だった。初戦で相洋を3対2の接戦で制すると、立花学園、横浜商、日大藤沢、向上を破って決勝へ。東海大相模との決勝では終盤に追い上げられながらも9対8で逃げ切った。準々決勝からの3試合はすべて1点差の勝利。接戦に強いチームカラーが目立った。
実に42年ぶり6回目の優勝。決勝戦には1万5000人を超える観客が詰めかけたという。甲子園出場がかかるわけではないが、1968年夏以来、甲子園から遠ざかっている「古豪」。その復活を願うファンも多かったのだろう。夏は甲子園出場こそ果たせなかったが、4強に入って存在感は示した。秋からの新チームも8強に入るなど、「復活」への流れはできつつある。
夏は東海大相模が制した。横浜との「横綱決戦」で勝利。甲子園でも8強まで勝ち進んだ。ドラフト会議で日本ハム2位指名を受けた藤田 琉生投手を中心に、タレント豊富な戦力で強さを見せたのが印象に残る。秋からの新チームも神奈川で準優勝し関東大会に出場。最速150キロ右腕・福田 拓翔投手(2年)というタレントもいて、楽しみは続く。
新チームで神奈川の頂点に立ったのは横浜だった。奥村 頼人投手(2年)、織田 翔希投手(1年)の強力な投手陣を誇り、関東大会優勝から明治神宮大会優勝と頂点までかけあがった。2025年は横浜が全国をリードする役目を担う。
私立強豪が上位を占める神奈川県のなかにあって、公立校の活躍も光った。夏はベスト16に市ケ尾が入り、春と秋は横浜清陵が8強入りを果たした。来年も公立校の飛躍に期待したい。
24年神奈川県大会結果
<春季>
優勝 武相
準優勝 東海大相模
4強 向上
4強 横浜
8強 慶応
8強 桐光学園
8強 横浜清陵
8強 日大藤沢
<夏選手権>
優勝 東海大相模
準優勝 横浜
4強 武相
4強 向上
8強 桐光学園
8強 横浜隼人
8強 日大藤沢
8強 桐蔭学園
<秋季>
優勝 横浜
準優勝 東海大相模
3位 平塚学園
4位 横浜隼人
8強 向上
8強 武相
8強 横浜清陵
8強 慶応