各校新チームが戦う秋季大会も佳境を迎えた。今年は名門校のエースに右の剛腕が揃っている。中でもこの5人には注目だ。

154キロ右腕・石垣 元気(健大高崎
150キロ右腕・福田 拓翔(東海大相模
149キロ右腕・宮内 渉吾(中京大中京
151キロ右腕・森 陽樹(大阪桐蔭
153キロ右腕・藤川 敦也(延岡学園

 彼らを2025年の「剛速球右腕BIG5」として認定したい。順調に成長すれば、ドラフト上位候補に挙がる逸材だと評価する。

 石垣はこの1年、速球が大きくレベルアップ。1年時は常時130キロ台後半で最速145キロだったのだが、今年のセンバツでは150キロ。夏前の練習試合で最速154キロ、群馬大会、甲子園では、出場投手最速となる153キロの速球を投げ込んだ。先発、ロングリリーフでは平均球速146キロをマークしており、すでに高校3年生と比較してもトップの数字を残している。変化球の精度も高まっており、しっかり試合が作れるようになった。秋はエースとして関東大会出場、神宮大会出場、センバツ出場に導く快投ができるか。

 福田は明石ボーイズ時代から注目を浴びていた逸材。中学2年生の時点で140キロ近い速球を投げ込み、超強豪校から多くの誘いを受ける中で、東海大相模を選び、1年春からベンチ入り。順調に球速アップし、2年夏前の練習試合で最速150キロを計測した。130キロ台前半のスライダー、フォークを織り交ぜ、神奈川大会では4試合で16回を投げ、18奪三振、4失点の好投だった。甲子園では2試合ともにリリーフとして登板し、最速149キロを計測した。秋は、エースとして横浜など強豪を抑える投球術を身につけ、関東大会に出場できるか。

 宮内は「BIG5」の中では最も荒削りだが、スケールは一番大きい。193センチ90キロと恵まれた体格をしており、長身を生かした投球フォームから繰り出す最速149キロの速球は角度があり、本人が得意とする130キロ台後半のフォークは空振りが奪えて、かなり強烈。ただ制球が課題で、まだ長いイニングを投げるまでの安定感がない。球界屈指の右腕に成長した先輩・高橋 宏斗投手(中日)の同時期と比べるとスケール、スピードは上だが、試合を作る能力は及ばない。当時の高橋も打ち込まれることはあったが、それでも勝てるゲームメイク能力があった。経験を重ねる中で驚くような成長を期待したい。

大阪桐蔭の大型右腕に“ドライチ”の期待

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