「南国の怪腕」の称号を手にするのか。そんな逸材が沖縄尚学にいる。この秋の明治神宮大会（神宮）の初戦、敦賀気比（北信越・福井）戦で先発した左腕の末吉 良丞投手。まだ1年生ながら、この秋の沖縄県大会では最速150キロをマークしたという。
神宮でのマウンドでは130キロ台後半の球速ではあったが、大気の片りんは見せた。1年生とは思えない、175センチ、85キロの立派な体格から重みを感じる直球をどんどん投げる。少々高めの球が多かったが、打者を詰まらせるには十分だった。
さらに、変化球ではキレが鋭いスライダーが大きな武器。左打者からすればやっかいな球で、空振りが取れる。直球が速い分、変化球も有効に働く。
九州大会では佐賀北（佐賀）、鹿児島実（鹿児島）を抑え込んで勝利した。継続試合となった鹿児島実戦では「2日がかりの完封」もやってのけた。福岡で優勝した西日本短大付相手の準決勝では6回1失点にまとめコールド勝ちを呼び込んだ。
ややコントロールに難があるとはいうものの、九州大会では4試合で5四球。今後もフォームが固まっていけば、制球力克服の日も近いだろう。
なんといっても、まだ1年生。明治神宮大会で優勝した横浜（関東・神奈川）の織田 翔希投手（1年）ほどの安定感はないが、同じ1年生として今後、注目される存在になることは間違いない。
【末吉の九州、明治神宮大会の成績】
＜九州大会＞
1回戦（佐賀北）先発9回6安打7奪三振2失点（自責1）
準々決勝（鹿児島実）先発9回4安打6奪三振0失点
準決勝（西日本短大付）先発6回6安打7奪三振1失点
決勝（エナジックスポーツ）救援0.1回無安打1奪三振0失点
＜明治神宮大会＞
準々決勝（敦賀気比）先発5回5安打4奪三振3失点（自責2）
