12月9日に今年で3回目を迎える現役ドラフトが開催される。過去2年は、細川 成也明秀日立出身)、水谷 瞬石見智翠館出身)と現役ドラフトでの移籍を機に覚醒を遂げる強打者の存在が目立った。

 細川は、横浜時代に二軍で4年連続2桁本塁打を放っていたが、一軍では確実性に苦しんだ。水谷に至っては、ソフトバンク時代には一軍未出場。193センチと恵まれた体格を持ちながらも、その才能を発揮できずにいた。

 今年の現役ドラフトでも環境の変化を機に、一軍で活躍するポテンシャルを秘める打者が候補に出てくる可能性がありそうだ。

 その筆頭候補になり得るのが、巨人の岡田 悠希龍谷大平安出身)だ。岡田は、法政大からドラフト5位で巨人に入団し、プロ1年目には33試合に出場したが、翌2023年は26試合、今年はわずか4試合と一軍での出番が減少している。一方、二軍では1年目から7本塁打を放ち、2023年は打率.281、12本塁打と好成績を残している。今年は打率2割前半に沈んだが、6本塁打を記録。環境の変化によって、ブレイクしてもおかしくない逸材と言える。

 2人目は、中日の石垣 雅海酒田南出身)。近年、内野手を多くドラフトで獲得したこともあり、一軍での出番が限られており、今シーズンは9試合にとどまった。それでも、入団時から二軍では長打力を発揮している。2021年には79試合で9本塁打を放つと、今シーズンも94試合で5本塁打を記録。投手有利のバンテリンドームから本拠地が変われば、一気に飛躍する可能性もありそうだ。

 最後に紹介したいのが、ヤクルトの濱田 太貴明豊出身)だ。2022年に一軍で6本塁打を放った実績を持つが、今シーズンは10試合の一軍出場に終わるなど低迷した。高卒2年目に二軍で2桁本塁打を放った長打力が魅力だが、思うような成長曲線を描けずにいる。現役ドラフトの対象となれば、面白い存在となりそうだ。