近年、どのチームでも課題となっているのが、複数の投手育成。明治神宮大会で4強入りした東洋大姫路(近畿・兵庫)には、プロ注目の阪下 漣投手(2年)だけでなく、将来性豊かな左腕がいる。背番号10の末永 晄大投手(2年)は、最速142キロの直球を武器に、明治神宮大会で、その実力を発揮した。

チームとして2戦目となった、二松学舎大付(東京)との準々決勝に先発すると、6回を無失点。強力打線を武器に、東京都大会を制したチームを封じてみせた。

コンパクトなテークバックから、リリース時に体全体を乗せるように投げ込む。明治神宮大会では球速こそ130キロ台後半だったが、キレが鋭く、コントロールも冴えていた。通常は上から投げるが、時折、サイド気味から横にどこまでも流れていくようなスライダーを投げるなど、打者を翻弄していた。二松学舎大付のクリーンアップからも三振を奪うなど、背番号10に甘んじている左腕の姿ではなかった。

現状では阪下の2番手という形で起用されているが、入学時から球速が10キロ増したことを考えれば、これから体ができてくれば、阪下を脅かす存在になる可能性も秘めている。

阪神の外野手としてプレーした末永正昭氏を祖父に持つ。幼少期には野球を教えてもらい、今に至っている。「サラブレッド」左腕がセンバツのマウンドで躍動する姿に期待している。

【末永の近畿、明治神宮大会の投手成績】

<近畿大会>

準決勝(天理)先発4.1回4安打3奪三振3失点

<明治神宮大会>

準々決勝(二松学舎大付)先発6回7安打5奪三振0失点