来年の2025年春のセンバツに出場する21世紀枠2校の選考を前に、13日に各地区ごとに推薦の候補校9校が決まる。来年1月24日のセンバツ選考委員会で、最終的に2校が選考される最終候補9校は、どんな顔ぶれとなるのか。最終回は九州地区を予想する。

九州地区の8県が推薦校として発表しているのは以下の通り(すべて公立校)。

<九州地区各県推薦校>

福岡 育徳館(準優勝・九州8強)

佐賀 小城(県8強)

長崎 壱岐(県準優勝・九州8強)

熊本 熊本商(県8強)

大分 大分豊府(県8強)

宮崎 延岡(県ベスト16)

鹿児島 隼人工(県8強)

沖縄 宮古(県4強)

離島勢である壱岐宮古、そして福岡で準優勝した伝統校・育徳館の争いになることが予想される。

長崎の離島勢、壱岐は近年8強までいくことは幾度とあったが、今年はその殻を破って県で準優勝を収めた。エース浦上 脩吾投手(2年)を中心に、3回戦で島原中央、準々決勝で創成館、準決勝で大崎をいずれも完封勝利で撃破。海星との決勝も逆転負けはしたものの、終盤に食い下がるなど、4対6と接戦を演じた。

春秋通じて初出場となった九州大会では、初戦で熊本の専大熊本に勝利して8強入りを果たした。部員21人全員が壱岐市の中学出身という「離島球児」の快進撃だった。人口約2万4000人の壱岐から甲子園へ。地元市民の熱い思いにも応えたかった。

沖縄の離島勢、宮古は昨年春に準優勝、夏も4強に入るなど活躍が目立ち、この秋もコザを破るなど4強入りした。敗れた準決勝でも沖縄尚学に1対3と接戦を演じている。

育徳館は1758年に開設した藩校の流れをくむ県立校。福岡県でも最古の歴史を持つともいわれている。この秋は準々決勝で久留米商、準決勝で東福岡と、県内有数の強豪を1点差で破って準優勝。初出場した九州大会でも日南学園(宮崎)に2対1で勝利して8強の成績を残した。島 汰唯也投手(2年)を軸に、接戦を制してきた実力を高く評価された。創部126年目のチームが、新たな歴史を刻むことができるか。

総合力からみて、最終的には壱岐育徳館との勝負となりそう。どちらが候補校となっても、最終的な21世紀枠選出の有力校ともいえる。

<過去10年の九州地区21世紀枠候補校>

(◎はセンバツ出場)

23年 鶴丸(鹿児島)

22年 高鍋(宮崎)

21年 大分舞鶴(大分)◎

20年 具志川商(沖縄)◎

19年 本部(沖縄)

18年 熊本西(熊本)◎

17年 伊万里(佐賀)◎

16年 高千穂(宮崎)

15年 八重山(沖縄)

14年 八幡南(福岡)