鹿児島県高校野球の監督会が主催する指導者研修会が7日、鹿児島市の鶴丸高校文化館であった。メンタルトレーニング指導の実績豊富な田口耕二さんが「選手・指導者の資質向上のためのメンタルトレーニング」と題して講演。監督、部長、主将ら約70人が参加して、熱心な学びの場となった。

 田口さんは全国各地の学生野球部、プロ野球の阪神などプロからアマチュアまで、様々なチームでメンタルトレーニングの指導に携わる。チーム、選手がそれぞれ持っている能力を、いかに本番で引き出すかの方法論について、様々な実践例を長年にわたって積み重ねてきた。

 大谷 翔平の母校である花巻東は「試合の一回が始まる前にゼロ回の準備がある」「100%の力を発揮するために200%の準備をする」と準備に時間をかけている。05年センバツ準優勝した神村学園、06年夏の甲子園ベスト4入りした鹿児島工に帯同し、練習中や試合中で取り入れたルーティーンを実際の映像で紹介するなど、豊富な実践例を挙げて解説していた。「保護者や学校とのかかわりの中で、大変なことが指導者にも多いけれども、そういう時が逆にチャンス。指導者が変わればチームは変わる」と力説していた。

 大島の小林誠矢副部長は「久しぶりに話を聞いて改めて勉強になった。自分自身が不安を抱えている中でも選手たちをどう楽しんでもらうかのヒントが得られた」と言う。喜界の星原一慶監督は「高いレベルで楽しむ」ことの大事さを学んだ。「人数が少なくて単独で出られないハンディーをどう楽しむか?」が自身のテーマになった。「鴨池でいつも通りの力を発揮するためにはどうすればいいか?」を質疑応答で田口さんに尋ねると「日頃からのイメージ作りが大事。例えば友達の家に泊って合宿してから練習に参加するなど、島内でもできることをやってみては」とアドバイスされた。

 鶴丸の駒走連音主将は「それぞれバラバラな目標設定をどう統一させるか?」を質問。田口さんは「個々人の目標設定はバラバラで当然。チーム全体の目標設定について、本音でじっくり話し合う必要があるのでは」とアドバイスしていた。


△研修会の様子

(政純一郎)