村上宗隆内野手(九州学院/ヤクルト)が契約更改後の記者会見で来シーズン終了後のMLB移籍を口にした。2025年がNPBにおける区切りのシーズンとなりそうだ。
来シーズンオフの時点でも村上は海外FA権を取得していない。つまりMLBへ移籍するためにはポスティングシステムを利用することになる。村上と同じ「高卒の左打者」(スイッチヒッター含まず)で同制度を用い、MLB移籍した選手はNPB最終年にどのような成績を残していたのだろうか。
調べてみると今をときめく大谷 翔平(花巻東/当時日本ハム)をはじめとして、イチロー(愛工大名電出身/当時オリックス)、岩村 明憲(宇和島東/当時ヤクルト)、筒香 嘉智(横浜/当時DeNA)がその条件に当てはまる。
なかでも圧倒的だったのがイチローだった。NPB最終年となった2000年はシーズン終盤に脇腹を痛めて105試合の出場にとどまるも 打率.387(395-153)の好成績で7年連続首位打者を獲得。文句なしの成績で移籍にはずみをつけた。
村上にとってチームの先輩に当たる岩村も3年連続となる3割30本塁打を達成。野手としてはチーム初のポスティング移籍となった。筒香も6年連続20本塁打以上を達成していた。
一方で意外にも大谷はNPB最終年(2017年)に満足のいく成績を残すことができなかった。前年はチームを日本一に導き史上初めて投手と指名打者でベストナインを受賞したが、この年は肉離れの影響もあり、65試合の出場と前年(104試合)から大きく出場試合数が減り、本塁打も22本から8本へ減少した。しかしそのなかでも打率.332(202-67)とハイアベレージを残している。
イチロー、岩村、筒香は好結果を残し、大谷は故障で出場試合数が少なかったものの高打率を記録した。村上も偉大な先輩たちと同様、MLB移籍前年にしっかりと結果で示すことができるだろうか。
<ポスティング制度でMLB移籍した高卒の左打者>
※MLB移籍前年の成績
【2017年】65試合 打率.332(202-67)8本 31打点
※5試合(25回1/3) 3勝2敗 防御率3.20
【2019年】131試合 打率.272(464-126)29本 79打点
岩村 明憲(宇和島東→1996年ヤクルト2位)
【2006年】145試合 打率.311(548-175)32本 77打点
イチロー(愛工大名電→1991年オリックス4位)
【2000年】105試合 打率.387(395-153)12本 73打点