12月9日に3度目の現役ドラフトが行われた。ヤクルトは広島から右腕の矢崎 拓也(慶応慶応義塾大出身)を獲得し、中継ぎの強化を行った。一方で柴田 大地日体大荏原出身)が楽天に指名され移籍となった。

 ヤクルトは第1回の現役ドラフトでは成田 翔秋田商出身/前ロッテ)、第2回では北村 拓己星稜出身/前巨人)を指名していたが、それぞれ1年目はどれくらい出場していたのだろうか。また、矢崎はどのような役割を期待されるのだろうか。

 中継ぎ左腕として期待された成田は一軍で2試合の登板にとどまり、3回1/3を投げ防御率5.40と結果を残せず同年オフに戦力外通告を受けた。

 一方の北村は打率.125(40-5)、1本塁打と打撃面で苦しんだ。しかし開幕から9月上旬まで一軍に帯同し続け48試合に出場。右の代打や試合終盤の守備でチームに貢献している。一軍では二塁と三塁の守備にしかついていないが、二軍では遊撃と一塁も守っており遊撃がもっとも多い。内野の全ポジションを守ることのできるユーティリティーとして重宝された。すでに来シーズンの契約更改も終えており、貴重なバックアップメンバーとして期待がかかっている。

 今回、新たに加わった矢崎は中継ぎとしての起用が濃厚。今シーズンは26試合の登板で防御率3.60。7月22日に登録を抹消されてからは一度も一軍に昇格することができなかった。その後、二軍では14試合(13回2/3)を投げており大きな怪我があったわけではない。

 今シーズンは苦しんだ1年だったことは間違いないが、2023年は一時的に守護神としても起用されるなど24セーブをマーク。54試合に登板し防御率2.81と結果を残していた。2022年も47試合の登板で防御率1.82と安定していただけに復活への期待は大きい。

 全体的に与四球が多く2022年から奪三振と与四球の割合を示すK/BBは2.04、1.58、1.31と年々悪化しており、制球面では課題もある。

 制球面での課題に向き合い、克服することができれば中継ぎとして、さらに勝ちパターンとしての起用もありえそうだ。