<第106回全国高校野球選手権大会:霞ヶ浦5ー4智辯和歌山>◇13日◇2回戦◇甲子園

 霞ヶ浦が智辯和歌山に5対4で勝利。延長タイブレーク11回の死闘を制して甲子園初勝利を掴んだ。

 投手陣の粘りが光った。先発した188センチ左腕・市村 才樹投手(2年)は、この日最速127キロの直球と80キロ台のカーブなど緩い変化球を丁寧に投げ込んだ。強打を誇る智辯和歌山打線を8回途中まで無失点と苦しめたが、2死から2者連続本塁打で一気に3点を奪われ、同点とされマウンドを譲った。

 それでも2番手でマウンドを受けた眞仲 唯歩投手は「応援でジョックロックが聞こえてきて怖かった」と魔曲の流れる聖地で躍動した。「『絶対に負けない』という気持ちは誰よりもあった」と延長タイブレーク10回も0に抑える気迫の投球が続いた。11回表には片見 優太捕手(3年)の内野安打で均衡を破ると、続く眞仲も「直球を張っていた」と三塁強襲の内野安打で2点の勝ち越しに成功。その裏には1点を返されたものの、1点差で死闘をものにした。

 チームを聖地初勝利に導いた高橋 祐二監督は、「甲子園に来られた今までの人の数倍校歌が歌えたことが感動的で嬉しいく思います」と語った。また勝利の瞬間には「相手が強豪の智辯和歌山さんで、あと一つで勝てるんだと思いながら、本当に勝っちゃったというか。びっくりしましたし、特別な思いがありました」と振り返っていた。