昨年夏の甲子園で4強に入った青森山田(青森)は、新チームとなった昨年秋の東北大会で準優勝を果たし、今年のセンバツ出場をほぼ手中に収めている。夏甲子園4強のメンバーが残るなか、2番だった佐藤 隆樹外野手(2年)が、新チームからは3番打者となって、勝利に貢献してきた。
昨年秋の青森大会は打率.538を誇った。初戦の八戸東戦が2打数2安打、準々決勝の八戸工大一戦でも3打数3安打と固め打ち。犠飛、犠打、四球も多く、チームの打点、つなぎ役としては申し分ない活躍を見せた。前のチームでは、不動の1番・佐藤 洸史郎外野手(2年)との1、2番コンビを組んでいたが、新チームではクリーンアップの1人として存在感を表している。
173センチ、73キロ。現代の高校球児としては細身の体ながら、ヒットメーカーとしての素質は高い。ゆったりと左打席で構える姿は、余裕が感じられる。直球、変化球でも対応可能なのは、グリップを少し回し加減にしてテークバックを取るあたりに秘密がある。将来性を感じる高度なテークバックが、あらゆる球筋にもアジャストできる理由になっている。50メートル走6秒0の俊足も武器で、昨年夏の甲子園では4試合4盗塁を決めた。
佐藤隆は、昨年のセンバツ、故障した佐藤洸の代役として、背番号20のトップバッターで「デビュー」した。3試合すべてに安打をマークし、9打数4安打と大活躍した。2番に定着した夏甲子園でも4試合すべてに安打をマーク。14打数7安打と4強入りに大きく貢献している。佐藤隆は、なんとチームで唯一甲子園で全試合安打をマークしている。現在7試合連続安打中で、23打数11安打の打率.478。「甲子園の申し子」と呼びたいほど大舞台に強い。
出場が確実な今年のセンバツで、連続試合安打をどこまで伸ばせるか楽しみだ。
【佐藤隆の青森、東北大会の打撃成績】
<青森大会>
2回戦(八戸東)2打数2安打2打点
3回戦(弘前南)1打数0安打1打点
準々決勝(八戸工大一)3打数3安打2打点
準決勝(弘前学院聖愛)2打数0安打0打点
決勝(八戸学院光星)5打数2安打1打点
<東北大会>
2回戦(古川学園)5打数2安打1打点
準々決勝(東日大昌平)2打数0安打1打点
準決勝(花巻東)5打数1安打0打点
決勝(聖光学院)4打数1安打0打点
(すべて3番中堅でスタメン出場)