大学生・社会人投手は剛腕投手たちが1位候補か 圧倒的な打撃を見せる創価大スラッガーは1位必至
堀越 啓太(東北福祉大)、立石 正広(創価大)
大学生では150キロ後半の速球を投げ込む堀越は1位候補に相応しい。大学日本代表の強化合宿でも明らかにボールの圧力が違った。1年目から37セーブをあげた巨人のクローザー・大勢投手のようにクローザー候補がほしいチームが狙いをつけているだろう。
渡邉は左腕から常時140キロ後半の速球と、鋭く落ちるチェンジアップを持つ、馬力の大きい左腕。24年は西武1位の武内夏暉投手(八幡南-国学院大)が新人王を獲得し、中日1位の金丸もかなり期待されている。この2球団のように、左のエース候補として獲りたい球団にとって渡邉は魅力的だ。
高木は昨年の大学日本代表に選ばれた本格派右腕。春のリーグ戦では防御率0.51の活躍で、大学選手権でもベスト8入り。伸びのある140キロ後半の速球の球質は抜群で、将来性、球質の良さを買って1位指名する球団が出てくるだろう。
島田は堀越と並ぶパワーピッチャー。長身で角度のある速球は迫力があり、変化球の精度も悪くない。東洋大のОBで、1位になったソフトバンク・上茶谷 大河投手(京都学園)、西武・甲斐野 央投手(東洋大姫路)の大学4年時と比較しても負けていない。春から東都一部でプレーし、投手タイトルを狙えるぐらいの成績を残せば、ドラ1の可能性は高まっていくだろう。
野手では1位がほぼ確実なのは創価大の立石。神宮大会では15打数10安打、打率.667、2本塁打6打点、出塁率.722、長打率1.133、OPS1.856と圧倒的な打撃成績を残し、12月の大学日本代表候補強化合宿の打撃練習でも特大の本塁打を放った。脚力も高く、若手スラッガーがいない球団は是が非でも指名したいところだろう。
谷端は東都一部で6本塁打を放ち、昨秋には首位打者も獲得した。スイング軌道を見ても無駄がない。現在は三塁手だが、さらに他のポジションを守れて、打撃成績を残せば、1位で指名する球団も出てくるだろう。本塁打が打てる強打の内野手は人気となりそうだ。
松川は俊足の大型遊撃手として人気が高い。12月の大学日本代表候補の強化合宿では50m5秒89を記録し、春のリーグでは打率.366、秋のリーグ戦では打率.375といずれも高打率を記録した。バットを長く持って豪快に振り抜く打撃スタイルは大きな可能性を感じる。守備の動きも軽快で、鍛えがいのある選手だ。
川原は大阪桐蔭時代からドラフト候補として注目されたが、指名漏れを経験。社会人では1年目から公式戦に登板している。昨年2年目は都市対抗二次予選のJR東海戦で初完投を記録。7回以上を投げた試合が5試合あった。まだ打たれる試合はあるが、常時140キロ後半の速球、スライダー、カーブなど各変化球の精度も悪くない。高卒3年目を迎える右腕としては及第点を与えられる投手だと思う。去年まで経験を積むシーズンだったが、今年は文字通り、チームを都市対抗に導く投球ができるか。激戦区・東海地区で勝ち抜く投球ができれば、スカウト評価も高くなるのではないか。
後藤は圧倒的な球速が強みだ。11月の日本選手権では最速155キロを計測。ほとんどのストレートは150キロ前半で、アベレージの球速が非常に高い。日本選手権では4回無失点。1年目の公式戦は10.2回を投げ、9奪三振、7失点だった。実戦登板の機会は少なかったが、11月の日本選手権で進化の兆しが見えているのは良い傾向だろう。春先からの公式戦で1年間通して成績を残していきたい。
この12人の中で現時点では石垣、立石、堀越、渡邉の4人が頭一つ抜けている。シーズンに入って新たな選手が浮上してくるのか、この12人が評価を不動のものとしていくのか――。大いに注目していきたい。