24日、第97回選抜高等学校野球大会の出場校が決定した。

 注目を集めた近畿地区の選考は滋賀の滋賀短大付が6番目に選出され、春夏合わせて初の甲子園出場を決めた。

 2009年に創部した滋賀短大付は昨秋の滋賀県大会で準優勝。初出場の近畿大会では1回戦で大阪1位の履正社を下し、大きなインパクトを残した。

 近畿地区の出場枠は6。近畿大会8強の中では大阪桐蔭を下した滋賀1位の滋賀学園が最有力で、大阪で唯一初戦を突破した大阪学院大高と滋賀短大付が最後の枠を争うと見られていた。

 緊張の面持ちで保木淳監督や学校関係者がライブ配信を見守る中、6番目に滋賀短大付の名前が呼ばれると、保木監督は安堵の表情を見せ、関係者と握手を交わした。

 大阪勢が昨年まで92大会連続で出場していた実績に加え、滋賀短大付は地域性で劣ることが懸念されていたが、近畿大会の戦いぶりが大阪学院大高と立命館宇治を上回ると評価された。

 その後、小林昌彦校長が「甲子園の女神はたった今、滋賀短に微笑みました」と野球部員に報告。その声を聞いて、目を赤くする選手も見られた。

 保木監督は「君たちがこの秋に残した結果が評価されて非常に嬉しく思います」と選手を労いつつも、覚悟を持って選手に語りかけた。

「出場32校で言うと、うちは間違いなく32番目。自分たちより能力が劣るチームはありません。この自覚をしっかりと持って、大舞台でも自分たちの力を発揮できるために逞しく育ってほしいと思います。野球の技量においても今は間違いなく32番目であるけど、そこに工夫と考える力と色んなその他の力を持って、甲子園に臨みたいと思います」

 今年のチームは突出した選手はいないが、技巧派左腕の櫻本拓夢(2年)を中心に全員野球で勝ち上がってきた。「粘り強く戦う姿勢と全員一丸となって勝利を掴もうとする姿勢が高く評価されました」と日本高野連の寶馨会長も選考理由について語っている。

「目立った能力の高い選手がいなくても、まとまれば勝てるというところを見せたいです」と話した森伸文主将。甲子園でも大物食いを見せられるか。