皆さん、こんにちは!! 『高校野球ドットコム』の河嶋です!

 今年最初のグラカンは期待のルーキーを紹介したいと思います。

 西武2位の渡部 聖弥外野手(広陵-大阪商業大)です。大学日本代表を2度経験し、関西六大学通算119安打を放った右の強打者です。この選手は関西圏の記者から非常に評判が高い打者で、DeNAの牧秀悟タイプと評する声もありました。実際に見てもその評価は誇張ではないと思います。大学4年間を振り返っていきたいと思います。

印象が大きく変わった大学1年生で見せた衝撃のティー打撃

 広陵時代は楽天・宗山塁内野手(明治大)と同期で、1年秋からサードで出場し、翌年のセンバツ(19年)で甲子園デビュー。当時は5打数1安打に終わり、あまり活躍はできませんでした。高校時代の渡部選手についてはあまり印象に残っておりません。3年生になると強打のセンターとして活躍しますが、実際に見ることができませんでした。

大学1年生時の渡部

 渡部選手が”逸材”だと実感したのは大学1年生の5月下旬です。当時、大阪商業大は大学選手権出場を決めており、注目選手の撮影のため、グラウンドに訪れました。4年生には中日・福元悠真外野手(智弁学園)、3年生に24年阪神1位・伊原 陵人投手(智弁学園)、2年生に西武の上田大河投手(大商大高)がいる豪華なチームでした。上級生からの推薦で現れたのが、渡部選手でした。ティー打撃を見せてもらいましたが、豪快なスイングから繰り出される打球の速さに驚かされたのを覚えています。高校通算30本塁打を放ったことも納得できる打球の速さでした。

 渡部選手は着実に実績を残していきます。2年春には打率.394を残し、首位打者を獲得し、2年秋には5本塁打を放ちました。こうして圧倒的な活躍を見せて、渡部選手は大学日本代表候補の常連となりました。しかし、強化合宿、選考合宿では目立った活躍はできませんでした。それでも周囲の高評価が揺るがなかったのは練習の内容、打席内容が良かったからです。

 打撃練習を見ると、しっかりとタイミングを取って、レベルスイングでボールを捉え、ライナー性の打球でスタンドを運んでいきます。凡打になっても、試行錯誤しながら打席に入っているのが分かりました。こういう選手は不調があっても、しっかりと取り戻すことができます。4年春は打率.220と苦しみますが、4年秋は打率.438を残し、2度目の首位打者を獲得しました。

指揮官も絶賛させた優勝を手繰り寄せるバント

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