徳島だから成長できた
――中込投手の速球は右サイドから伸び上がるような軌道が魅力的です。直球の回転数には自信があるんですか?
中込 回転数は2200と普通なんですけど、リリースと離す位置が打者に近いと思うので、空振りが奪えるのかなと思います。身長175センチも投手としては小さいんですけど、サイドなので浮き上がるような軌道になって空振りを奪うことができると思っています。
―― 伸びのあるストレートを武器にするために極めたことはありますか。
中込 徳島の監督の岡本(哲司)さんの指導も大きいですね。岡本さんからは「空振りを奪うストレートがなければNPBにいけない」と前置きをもらった上で技術的な指導をしてもらいました。指導の引き出しの広い方で、この1年間、いろいろとアドバイスをもらったことで、ラプソードで測ったときの数値も改善され、感覚とデータが一致してきました。
技術的な指導をもらうと同時にインディゴハウス(徳島のトレーニング施設)でずっとトレーニングをしてきて筋力量が増えてきた。二つがうまく合致して、ストレートが最速150キロまで速くなりました。
中込陽翔の投球
――あと中込投手の奪三振集の動画を見ていて、サイドから落ちる球を投げて三振を奪っているのが印象的でした。
中込 自分はフォークとシンカーを投げます。徳島球団の方から「落ちる球は大事」とずっといわれていて、シーズン終盤はだいぶ決め球になったかなと思います。
――多くのアマチュアチーム、独立球団の選手がNPBを目指して、いろいろと取り組んでいる中、徳島インディゴソックスは他のチームにはない優れた要素はありますか。
中込 4つの要素があると思います。これほど数値を使ってトレーニングをするチームはないということ。次にすごい選手が集まっているので、NPBを目指して高い志を持って1日を過ごしているということ。周りの意識の高さも大きいですね。
3つ目は球団社長の南(啓介)さんの教育がすごい。シーズン中は多くのスカウトの方が来てくださっているのですが、多くの人が見られている中で、自分はどういうことが求められているのか。南さんから適切なアドバイスをもらえるのが大きいですね。
最後に監督の岡本さんからの技術的なアドバイス。これも成長するために非常に大きかったです。
――インディゴソックスはNPBを目指す選手にとっては理想的な環境なんですね。
中込 監督、社長、トレーニングハウスと、強みの度合いのバランスがいいのがインディゴソックスだと思います。1つだけ強すぎても駄目ですし、バランスよくできていて、志の高い選手しかいない。そこが他のチームにはないところだと思います。