沖縄・浦添でキャンプインを迎えた東京ヤクルトスワローズでは育成3位ルーキーの下川 隼佑湘南工大付-神奈川工科大-BCリーグ・新潟-オイシックス新潟)が一軍キャンプに抜擢された。育成指名の新人では12球団唯一の一軍スタートを勝ち取っている。

 オイシックス新潟に在籍した2024年は40試合(うち11先発)、4勝8敗、防御率3.86。先発、中継ぎの両輪で112イニングを投げて102奪三振を記録し、イースタン・リーグの最多奪三振に輝いた。球界では希少なサブマリンとしても注目を集め、ドラフト指名を受けた。

 昨年の二軍成績をみると、平均128キロながらアンダースロー特有の浮かび上がるストレートを武器に対右打者には被打率.190と封じ込めている。一方、対左打者には被打率.313と打ち込まれており、一軍で活躍するには左打者への投球が課題となりそうだ。

 アンダースローは左打者からはボールの出所が見やすく、巨人・高橋 礼専大松戸-専修大)やDeNA・中川 颯桐光学園 - 立教大)などのサブマリンも左打者を苦手にしている。高橋や中川はシンカーなど左打者の外角に逃げるボールで左打者対策を行っているが、下川の持ち球はスライダー、カーブ、チェンジアップ、ツーシームで、シンカーはこのキャンプで習得を目指している。

 現役時代にシンカーを武器にした高津 臣吾監督の下、左打者に有効なシンカーを習得できれば、さらに飛躍を遂げる可能性を秘めている。

 ヤクルトの支配下は現在64人。支配下枠にも余裕があり、チームは先発、中継ぎともに手薄な状況だけに、早期の支配下登録、一軍定着が期待される。