第97回選抜高校野球大会(センバツ)の出場32校が決まり、球児たちは3月18日の開幕に向けて準備を進めている。大会で注目される球児たちを紹介していきたい。
昨年秋の関東大会で、ひときわ目立った投球フォームの左腕が注目を浴びた。埼玉秋季大会で初優勝を果たした浦和実の左腕エース・石戸 颯汰投手(2年)は、右足を極限まで引き上げて、足の裏が見えるほど派手に跳ね上げる。球速は最速が130キロというが、本人がしっくりしているという独特な変則フォームで、制球力も安定。変化球もコーナーをついて、相手に的を絞らせなかった。
最大のハイライトは、昨秋埼玉大会の準々決勝。全国でも強豪の浦和学院相手に、6回までノーヒットの、わずか2安打の完封勝利を挙げて見せた。当初は試合中盤くらいまでの予定だったというが、あまりの好投に最後まで投げきった。大きな自信をつけ、決勝でも1失点(自責0)の完投勝利。県大会4試合の防御率0.28を誇り、チームを初優勝に導いた。
関東大会ではすべての試合に先発。事実上、センバツ出場を引き寄せる準々決勝での4安打完封勝利を含め、2試合16イニングで、わずか1失点。横浜(神奈川)相手の準決勝では、1点差の逆転負けを喫したが、3失点完投と試合を作った。
石戸しかできない個性あふれるフォームが、大舞台でも花開かせることができるか。センバツのマウンドのパフォーマンスに、観客も魅了されるかもしれない。
【石戸の埼玉、関東大会の成績】
<埼玉大会>
1回戦(埼玉平成)※6.2回2安打9奪三振2失点(自責0)
3回戦(聖望学園)7回8安打3奪三振1失点
準々決勝(浦和学院)9回2安打6奪三振0失点
決勝(西武台)9回5安打7奪三振1失点(自責0)
<関東大会>
1回戦(宇都宮工)7回6安打8奪三振1失点
準々決勝(つくば秀英)9回4安打6奪三振0失点
準決勝(横浜)8回8安打4奪三振3失点
(※以外は先発)