中日の若きエース・髙橋 宏斗投手(中京大中京出身)が、前人未到の記録に挑戦している。1970年の阪神・村山実以来、54年ぶりとなる防御率0点台。もう半世紀以上も誰も到達していない「聖域」に、22歳の若き右腕が入ろうとしている。

 9月2日現在、髙橋は119.2回を投げて自責点13、防御率0.98の成績を収めている。規定投球回数に到達しておらず、現在は「隠れ防御率1位」。残り23.1回以上を投げて防御率0点台であれば、54年ぶりの快挙となる。

 9月3日の阪神戦(甲子園)で登板予定。今後、週1回のペースで9月4試合に先発し、毎試合6回を投げれば規定投球回数はクリアできそう。雨で中止になったカードが10月に組み込まれると仮定すると、最大5試合は登板できそうで、先発6回ほどを投げ続け、投球回数が150イニングとなった場合、残り5試合の自責点別の通算防御率は以下の通り。

 0点=0.78

 1点=0.84

 2点=0.90

 3点=0.96

 4点=1.02

 残り5試合、30イニングほどで自責点3以下なら記録達成となる。仮に、先発7回ほどを投げ続け、投球回数が155イニングとなった場合なら、自責点4点以下で記録達成が可能となる。

 非常に厳しい条件だが、7月の4試合32回を投げて失点、自責が0だった右腕である。今季巨人戦に2試合先発し、14回を投げて失点、自責0の右腕である。夢に向かって突き進んでほしい。

 さらに、もうひとつ「被本塁打ゼロ」という記録もかかっている。これまで2リーグ分立後、規定投球回数に到達し、本塁打を1本も打たれなかった投手はいない。2つの大記録がかかる右腕の9月の登板から、目を離すことはできない。