ロッテの顔だった佐々木 朗希投手がドジャースへ移籍しました。佐々木投手が抜けて先発が1枠空いたことで、若手投手にとって大きなチャンスが生まれています。
キャンプで行われているシート打撃、紅白戦を見ていくと、若手投手の成長は著しいものがあります。今回は新たなエース候補2人を紹介していきたいと思います。
3年目の田中晴也がエース候補!ドラフト前に感じた飛躍の兆候
まず1人目は田中 晴也投手です。日本文理時代は1年生の時から剛腕投手として注目されていました。2年夏に初めて甲子園に出場しましたが、強打の敦賀気比打線相手に7失点を喫し、初戦敗退。それでも最速147キロを計測しました。3年夏は最速150キロをマークするまでに成長し、2年連続甲子園出場を決めました。しかし新潟大会の途中で右手人差し指のマメを潰した影響で、甲子園では本調子ではなく、長崎・海星戦で6回を投げて、7自責点という結果に終わり、初戦敗退となりました。
ただ、新潟大会4試合34回を投げて、7失点に抑えた内容が評価され、12球団から注目される存在となっていました。
ドラフト前、室内練習場での投球を見る機会がありました。不調だった甲子園の投球と比べるとかなり内容の良さを感じました。甲子園での田中投手は荒々しかったのですが、練習を見ると、1球1球丁寧に動作を確認しながら投げていました。腕の振りもスムーズで、可動域も広い、柔軟性が高い投手という印象を受けました。重心移動が安定していて、回転数が高いストレートを投げ込んでいました。スプリットもかなり速く、捕手の手前で鋭く落ちて、完成度の高い投球を見せていました。
インタビューでは自分の強みについてこう答えています。
「自分はストレートの速さ、強さ、コントロールについては誰にも負けないと思っていますし、一番の強みになると思っています」
復調の要因として甲子園後にノースロー調整をして、指の爪とマメを治すことに専念したことが大きかったようです。将来の目標として、「世界でも通用するスケールが大きい投手になりたいです」と語りました。22年のドラフトでロッテ3位指名を受けた田中投手は順調に成長を見せています。2年目の昨年は二軍12試合に登板して、52.2回を投げ、53奪三振、防御率2.73の好投。6月1日の阪神戦で一軍初登板を果たし、5回無失点の好投。一軍でも4試合で防御率1.80と好内容でした。
今春季キャンプを見ると、紅白戦で2回無失点の好投。伸びのある150キロ台のストレートを投げ込んでおり、期待が高まります。3年目の今年は一軍定着し、飛躍的に数字を伸ばしたいシーズンです。過去、高卒からローテーション入りしたロッテの投手は3年目がキーポイントになります。佐々木投手は3年目に完全試合を達成するなど、20試合で9勝4敗、129.1回、173奪三振、防御率2.02と大ブレイクに成功しました。そして現ロッテのエース・種市 篤暉投手(八戸工大一)もやはり3年目に8勝、116.2回を記録し、昨年ついに二桁勝利を達成しています。
やはり一軍で活躍する投手は勝負の年に長期離脱することなく、投げぬいて結果を残しています。田中投手は2人のラインに達することができれば、球界を代表する右腕の道が待っているでしょう。