三菱重工Westがパナソニックを2対1で下し、日本選手権出場に王手をかけた。先発を任された最速153キロ右腕の竹田祐(履正社-明治大)が5安打1死球11奪三振で1失点完投。「暑い中、一人で投げ切れたので良かったです」と残暑厳しい気候の中でもエースとしての力を発揮した。
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「この試合で投げると決まってから完投はずっと自分の中で思っていた」と出力をコントロールしながら投げていた竹田。ストレートは球場のスピードガンで140キロ台前半を計測することが多かったが、丁寧に投げ込んでおり、追い込んでからはフォークで三振を取る場面が目立った。
6回までに許した走者は失策による一人のみ。7回表には初安打を浴びて、二死一、二塁のピンチを招いたが、この日最速となる149キロのストレートでセカンドゴロに打ち取り、無失点で切り抜けた。
9回表には適時内野安打で1点を還され、なおも二死二、三塁と一打逆転のピンチ。それでも代打の久保田拓真(津田学園-関西大)からフォークで空振り三振を奪い、リードを守り切った。
今年で社会人3年目の竹田。大学4年時、ドラフト指名解禁となる昨年と2度の指名漏れを経験している。「大学4年と去年は不安というか、生活するのもしんどい感じだったんですけど、今年はしっかり投げられていて、投げているのを勝手に評価してもらえたら良いなと思っているので、別に何とも思わないです」と3度目の正直となる今年は落ち着いて運命の日を待っている。
下半身を使えていなかった昨年の反省から筋力強化に取り組み、球質が大幅に向上。平均球速も今年の都市対抗野球で148キロを記録しており、「野球人生で一番良い」と自信を持てるようになった。
18日の代表決定戦で勝利すれば、日本選手権の出場が決まる。「この予選に勝って、出場権を得ることが大事だと思うので、次の試合を全力で頑張りたいです」と竹田は次なる戦いを見据えていた。