神奈川大学リーグの名門・桐蔭横浜大で4年後の1位を狙うべく汗を流す選手がいる。古川 遼投手(日本学園)だ。昨秋のドラフトでソフトバンクに育成1位指名されるも辞退し、大学進学を決意。大学の練習開始から約2週間がたった今、改めて将来のビジョンについて聞いた。
「ドラフト1位で選ばれると想定しながら高校で練習してきました。同学年の選手たちが指名されているのが悔しくて、再び挑戦することを決めました」
ソフトバンクの施設にも足を運び、最後まで悩み抜いた。それでも「4年後の1位指名」を信じ、大学で腕を振ることを決意した。
進学先は「東都リーグを倒して大学選手権で勝ちたい」と神奈川大学リーグの桐蔭横浜大へ。現在2年連続で選手権出場を果たしているだけでなく、23年のドラフトで古謝 樹投手(湘南学院)が楽天から1位で指名されるなど投手育成にも定評のある大学だ。
大学での練習開始から2週間が経ち、「高校時代よりも練習量が多く大変です」。課題のスタミナを克服すべく、苦手なランメニューもダッシュ20本に外周をこなしている。「いち早くチームの戦力になりたい」と謙虚な姿勢を貫き、まずはチームの信頼を勝ち取ることに重きを置いている。
指名辞退によって注目を浴びることとなった古川だが、厳しい練習と同時に行っているのがSNS発信だ。現在X(旧Twitter)のフォロワー数は5000人近くに上り、練習風景や合宿の食事メニューの写真などを積極的に更新している。
こうした背景には古川自身の経験があるという。
「SNSで大学野球の話を聞くのは面白いと感じています。自分が小・中学生時代にそういった情報発信が見たかったですし、だからこそトレーニング内容やどういった生活をしているかを広めていければと思います」
SNS上では度々「(炎上に)気をつけてください」と声を掛けられるそうだ。様々な意見を受け止めながらも、「これからも気をつけながら発信していきます」と笑顔だった。
いよいよ短くも長い大学4年間が始まろうとしている。身長190センチ、85キロの大器は、自慢の直球に磨きをかけ、さらなる飛躍を誓う。
「今は球速や球威も全然で、何もかも足りていないです。まずは体作り、その後に技術面を磨いて将来的には158キロを出せるように頑張りたいです。心も体も大きくしてドラフト1位でプロに行きたい」
苦渋の決断を成功に変えるべく、古川の挑戦が始まる。