日本高校野球連盟(日本高野連)は21日、大阪市内で定例の理事会を開き、今年9月29日から滋賀県で開催される国民スポーツ大会(旧:国民体育大会)高等学校野球の硬式と軟式で7イニング制を導入することを決めた。国民スポーツ大会の主催は日本高野連ではなく、公益財団法人日本スポーツ協会のため、今後は3月4日(火)に日本スポーツ協会で開催される、令和6(2024)年度第4回国民スポーツ大会委員会での審議を経て、最終決定される。

 日本高野連では導入に至った理由として、

・国民スポーツ大会は決められた日程(4日間・順延なし)で開催する大会であり、投手の障害予防対策として3連戦を回避するため、休養日を設定する必要がある。1球場で開催する場合、第1日は4試合開催が必須となり、天候不良が重なった場合、予定の試合をすべて行い、優勝校を決することができない場合がある。

・また秋季大会と重なっている都道府県もあり、イニング数を短くした上で勝敗を決し、部員の健康面への配慮をする。

 の2点を挙げた。

 今年1月から「7イニング制等高校野球の諸課題検討会議」を開いており、同会議からの提案を受けてのものになる。

 各都道府県連盟や加盟校等と会話する中で、「実際に7イニング制を公式戦で経験してなく、イメージが沸かない。意見を求められても良いか悪いかの判断をどう言ったらいいのかわからない」などという声が複数あったという。その中でどこかで取り組む方法を模索し、競技期間が4日間(休養日を含む)と決められた国スポに着目。さらに3連戦を回避する日程を維持したうえで優勝校を決めるためにも、1日4試合日がある国スポで7イニング制を実施しようとなった。

 春夏秋の大会や全国大会、神宮大会などを来年以降どうするかは引き続き「7イニング制等高校野球の諸課題検討会議」で審議していく。なお同会議は暑さ対策だけでなく、教職員の働き方改革、気候変動など、高校野球を取り巻く状況に対応などを検討するため、7イニング制=暑さ対策ではない。

 青森県で開催予定の来年の国スポに関してもまず今年一度やってみてからというスタンスになる。

 今回の国スポが7イニング制になるため、同大会で実施されている得点差によるコールドゲームは「5回以降10点差以上」だけになり、7点差でのコールドゲームはなくなる。