スピード強化は十分間に合う!

ただ先述した通り、筋力をプレーに結び付けるためにスピードも磨かないといけない。筋力維持と同時進行で調整する必要がある。そこに効果的なトレーニングとして、SAQトレーニング(Speed、Agility、Quickness)が存在する。

しかも、筋力と違って「時間はそれほどかからず、効果が出てきます」と宇津木さんは説明する。
「特に反応速度については、大会の1か月くらい前からアップなんかで入れてもらえると、十分効果があると思います」

ある程度の即効性がある分、取り組みをやめてしまえば落ちやすい一面もあるが、定期的にやっていれば効果が出てくる。だから毎日行うアップにSAQを入れるべきなのだ。

「スピードを高めるのに短ダッシュをやったり、アジリティの強化でラダーやミニコーンを使って体を素早く切り返したり、あとはクイックネスを高めるのにリアクション系を毎日やってほしいです。ただ、疲労を限界までためてほしくはないので、そこは十分に考えながらやってほしいです」

こういわれると、ただやればいいものかと思われるが、宇津木さんは警鐘を鳴らす。
「ただ、全力でやらないと絶対に意味がありません。このメニューは限界値を高めるものなので、手を抜くことなくやり切ってほしいんです。なので、例えば毎回タイムを測ってもらえると、数字を意識して伸びてくる部分もありますので、短期間で効果を出せるので、1つの方法だと思います」

なかでもアジリティ系に関しては、「方向転換には感覚が伴ってくるので、体の使い方や股関節の感覚が選手によって違うので、継続的にやってほしい」と注意を促す。

シーズンに入ると試合も入ってきて、コンディション管理は難しい。しかし、そこをしっかりと把握して筋力維持との両立が実現すれば、ベストな状態で大会を戦うことが出来そうだ。

柔軟性も磨いてベストな状態を整えよう!

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