徳島県藍住町の「ゆめタウン徳島」で行われた徳島インディゴソックス2025年新入団選手発表会見。多くの選手が胸を張ってNPB入りの目標を述べる中、いっそう元気よくあいさつした後、「今年の目標は(NPBドラフト)上位指名」と語った肩幅の広い男。それが、背番号77の右打ち外野手・山本 倫彰飛龍城西国際大)である。

 アピールポイントは「積極的なバッティングとフルスイング」。事実、ここまでのオープン戦ではマルハン北日本カンパニー戦での6打点に象徴されるように強みを存分に発揮している。ただ、山本の魅力はそれだけではない。2月27日に行われた韓国プロ球団(KBO)のハンファ・イーグルス2軍との交流戦で、彼の新たなが実力が垣間見えた。

 この日のハンファは一軍経験者も多く名を連ね、いわば「1.5軍」ともいえる布陣。だが、山本は23歳の大型左腕・金 騎中投手(キム・ギジュン)をはじめとする投手陣にも果敢に初球からコンタクト。ついに9回表には2017年WBC韓国代表の37歳ベテラン右腕・張 施晥投手(チャン・シファン)の浮いたボールを見事に左前2点適時打とし、対応能力の速さも示したのだった。

 さらに山本は中堅手の位置でも再三の好捕、9回には二盗も決め俊足の一面も披露した。現時点では昨年は大卒2年目で走攻守に圧倒的な数字を残し四国アイランドリーグplus年間最優秀選手を獲得した徳島インディゴソックスの先輩・寺岡 丈翔(現:福岡県立糸島特別支援学校教員)の1年目と比較しても、全くそん色ない。

 実は城西国際大時代も4年秋に急成長を遂げ、3番打者の位置を勝ち取っている山本。昨秋神奈川大学リーグ戦6本塁打の大型右長距離砲・加田 拓哉外野手(帝京桐蔭横浜大)らと切磋琢磨しながら、徳島の地でこの成長曲線をさらに加速させることができればブレイクを果たすのも、そう遠い日のことではない。