昨秋6本塁打を放った野手陣はさらにパワーアップ
昨秋に6本塁打、チーム打率.390を記録した打線はさらにレベルアップしている。さらに公式戦での失策は4失策と守備も安定している。
冬場はトレーナーの指示のもと、ウエイトトレーニングに励んできた。野手たちを見ると、体つきががっしりしており、特に秋5番だった小堀 弘晴捕手(3年)の成長が著しい。シート打撃では長打を連発しており、ロングティーでも健大高崎グラウンドの場外へ運ぶ本塁打を放った。小堀は「冬場にやってきて、体も大きくなりました」と胸を張る。
ほかにも秋3本塁打の秋山 潤琉内野手(3年)、伊藤 大地内野手(3年)などスラッガータイプの選手だけではなく、堅い守備力を誇るショートストップ・加藤 大成主将(3年)、抜群の俊足を誇るセンター・石田 雄星外野手(2年)の1、2番コンビも鍵を握る。
レギュラー陣の打撃力は申し分ない。
「素直な性格の選手が多く、作戦が忠実にできる。センバツ優勝したチームよりも個々のポテンシャル、長打力は劣りますが、その分、組織的な作戦ができる。率いる側からすればやりやすいチームです。結果として得点が取りやすいですよね」(青柳監督)
一方で、青柳監督はレギュラー以外の打撃力向上を課題にしてきた。
年末に足を怪我してしまった佐伯 幸大外野手(3年)は復帰へ向けて、状態を整えている。練習試合では本塁打を打っており、打つ分には問題ないが、フル出場できないため、他の野手たちの成長も不可欠だ。
ベンチ入り予定の佐藤麻恩
その中で伸びてきたのが2年内野手・佐藤 麻恩だ。群馬西毛ボーイズ時代、投手としても活躍していた佐藤は、高校では持ち味の強打を活かして外野手でプレーしている。左打席から鋭い打球を飛ばしており、青柳監督も「伸び盛りの選手です」と評価する。
佐藤龍月の起用法は?
注目が集まるのは、昨年のセンバツ優勝投手となった佐藤 龍月(2年)の起用法である。昨年8月にトミー・ジョン手術を行い、リハビリも順調で、昨年末からキャッチボールも開始している。今は医師から「出力を抑えめにしながら状態を上げること」を指示されており、「軽く投げてもいかにキレの良いストレートを投げられるか」をテーマに取り組んでいるという。
ブルペンでのキャッチボールを見たが、回転数の高いボールを投げ込んでいた。佐藤自身も手応えを感じているのか「キャッチボールを撮影していた映像を見せてもらっていいですか?」とカメラマンに頼んでくるほどだった。
投手としての復帰は6月を目指しており、入学当初から掲げていた「高卒プロ入り」を実現するために、夏の群馬大会、甲子園でパワーアップした姿を見せるつもりだ。
センバツでは左の代打としてベンチ入りを目指しており、青柳監督は「うちの左打者では上位の打力ですよ」と高く評価する。打撃練習を見ると、昨秋、県大会で3番を打っていた栗原 朋希外野手(3年)と比較しても遜色ない打撃をしていた。佐藤は「今は代打としてベンチ入りを狙っているのですが、練習試合でもそんなに機会は与えられないと思います。そこでしっかりモノにして、ベンチ入りしたい」と意気込んでいる。