8日、JABA東京スポニチ大会が開幕し、3会場で社会人の強豪チームが熱い戦いを繰り広げている。明治神宮球場で行われた第2試合では、Honda鈴鹿が鷺宮製作所に4対5で敗戦。先発した川原 嗣貴投手(大阪桐蔭)が初回に4失点と乱れ、初戦を落とした。
苦しい投球に下唇を噛んだ。神宮球場の気温は4度。「普段の公式戦で投げる天候ではなかった。自分の調整不足で合わせることが出来なかった」と立ち上がりで大量失点を許した。
それでも決して下は向かない。そこには今季から就任した真鍋 健太郎監督の言葉があった。
「仲間を支配して相手を制圧する」
監督就任後、2人きりで交わしたこの言葉が川原の責任感を強くした。
「20年間生きてきた中で一番刺さる言葉でした。今は本当にその言葉を意識して投げています」
この日も、2回以降は徐々に本来の投球を取り戻し、無失点で抑え続けた。6回に勝ち越しを許したものの、「昨年のままだったら気持ちが切れて抑えることができなかった。360度意識を変えようと変化したことが出せた」と収穫も見えた内容だった。
高校時代は22年春のセンバツにエースとして登板し、日本一を経験。ドラフト候補として期待されたが、まさかの指名漏れとなり、Honda鈴鹿で腕を磨いた。解禁年となる3年目を迎え、指揮官も「エースになるんだという気持を持って試合を作るようになった。気迫を出していて、得点に繋がる投球だった」と精神面での成長を高く評価している。一方で、「彼はまだまだ成長できる。初回からエンジン全開で投げられる準備も必要」と期待を込めていた。
技術、精神ともに成長を遂げ、憧れていたプロ野球選手を目指す。
「今まで以上の結果、姿、態度、全てにおいて100点満点を求められる立場だと思う。ずっと長く野球をしていたいという気持ちを持って、今はひた向きに努力を積み重ねるだけだと思います」
右腕の今後の成長に期待したい。