打線の完成度は履正社の全盛期と比較すると7割ぐらい

 打力も全盛期の履正社に劣らない迫力を持っている。近畿大会では4試合で29得点。明治神宮大会でも1回戦で聖光学院に10対0で5回コールド勝ちを収めるなど、低反発バットを感じさせない打力を見せつけた。

 岡田監督の就任当初は履正社の選手に比べて、体重やスイングスピードなどの数値に開きがあったが、現在はそれも解消されつつあるという。最も強かった頃を100とするなら、「今は65~70くらい。もう一息というところですね」というのが岡田監督の評価だ。

「ここからはより一層、本人の意識が大事になります。上がれば上がるほど、上がり幅は小さいんですよ。あと一歩、二歩はなかなか難しいから、今まで以上に意識高く取り組むしか方法はないと思います」


渡邊拓雲主将

 打線は主将でリードオフマンの渡邊 拓雲(2年)の出塁とクリーンナップの勝負強さがキーになると岡田監督は考えている。明治神宮大会準決勝の横浜戦ではあと一本が出ずに敗れた。「チャンスでの一本が課題。そこを克服しつつ、選手一人一人の体も大きくして、パワーを付けてセンバツに挑みたいと思っています」と渡邊拓は勝負強さを課題に冬の練習に取り組んでいる。

 横浜の投手は左腕の奥村 頼人(2年)と右腕の織田 翔希(1年)が二枚看板。ともに高校球界を代表する好投手だ。対戦した感想を渡邊拓は次のように語っている。

「奥村投手はストレートを中心とした配球で攻めてこられました。ストレートの比率が多いということで、自分もストレートを待ったんですけど、捉えきれなかったという部分では、ストレートの切れは素晴らしいと思っています。織田投手は1打席しか対戦していなくて、しかも送りバンドだったんですけど、球が重くて速くて、ちょっとバットが刺されたという印象が凄かったので、ボールのキレであったり、球の重さというのも非常に素晴らしいと自分は思います」

センバツ優勝のためは選手同士の競争が必要

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