ストレート、変化球のレベルアップに手応え

————昨秋の取材では、ストレートの質を高めることを課題にしていましたが、この冬はどんなトレーニングを行いましたか。またストレートの球質の変化はありましたか?

石垣 下半身のトレーニングを中心にやってきて、ストレートの質にも変化が現れました。2月の館山キャンプのとき、ラプソードで測定したんです。それまでは2100回転でしたが、2400回転ぐらいまで出ていて。球質も進化したことで、紅白戦ではストレートで空振りが取れていので、冬場の練習の成果が出たのかな、と思いました。

————投球フォームで良くなったところはあったんですか?

石垣 フォームはほとんど変えてないんですけど、リリースの角度が良くなりました。下半身トレーニングの成果が出たのかなと思います。

————速球を投げる上で、体のどの部分を大事にして投げていますか?

石垣 軸足と指先を大事にしています。軸足にしっかりと体重が乗って、指先に力を伝えることができれば、自分の中でしっかりと空振りが取れるストレートを投げられると思っています。指先に力がかからない時はスピードは出てるんですけど、打たれることがあるので手と軸足を意識してやっています。

————今日(取材日)のピッチング練習では150キロも出ていました。

石垣 館山キャンプから結構時間が経って、久々のブルペンだったんですけど、気温が暖かいというのもあって、感覚良く投げられました。すごく調子がいいかなと思います。ブルペンで150キロを出したのは初めてですね。今は内外角に投げ分けることを意識しています。

ドラフト1位を目指す ライバルは大阪桐蔭・森陽樹

————本番までどのように突き詰めていきたいですか

石垣 センバツでは先発で投げることになれば、ゲームを作るためにテンポのいいピッチングをして、いかに良い流れで打線につなげるかというのを大事にしてやっていこうかなと思ってます。

————スカウトからも注目されていますが、ドラフト1位でプロに行きたい思いはありますか?

石垣 その思いはぶらさずにドラフト1位という目標は持っています。

————ドラフト候補として気になる投手はいますか。

石垣 大阪桐蔭森 陽樹投手です。よく名前に挙がっていますし、動画でも見ていますし、負けたくないですね。

————彼にはどんな印象を持ちますか。

石垣 178センチの自分と違って森投手は190センチと背が高いので、あの角度から投げるストレートは自分にはないものを持っています。自分は球速だけは負けたくないと思っています。この身長でも常時150キロ以上の速球は投げられることを証明したいですね。

————チームを勝たせることが目標だと思いますが、個人的な数字など目標ありますか

石垣  チームとしては連覇というのを目指して、個人の目標としてはセンバツで155キロは出したいなと思っています。去年の佐藤(龍月)が防御率0.00で終えましたけど、自分と同じぐらいのピッチングができればいいなと思っています。

<石垣元気(いしがきげんき)>

右投げ左打ち 178センチ78キロ

北海道出身。登別市西陵中では洞爺湖シニアでプレー。中学時代、北海道の選抜選手として沖縄遠征を経験。選抜試合での投球が健大高崎の関係者の目に留まり、進学を決断。1年春からベンチ入りし、145キロをマーク。2年春のセンバツでは150キロ、2年夏は153キロ、2年秋は154キロと順調にスピードアップしている。