2年連続で5位に沈むヤクルトにおいて上位浮上の鍵を握るのは、直近のドラフトで指名した若手選手の台頭だろう。2022年ドラフト入団組においては、昨年まで一軍で活躍していたのは1位指名の吉村 貢司郎日大豊山国学院大東芝)のみだったが、3年目を迎える今年は2位以降に指名した選手もブレイクの兆しを見せている。

 2位指名の西村 瑠伊斗京都外大西)は高校時代に投手兼外野手を務め、高校通算54本塁打を記録した左の強打者。プロ入り後に三塁手に挑戦したが、高卒1年目は二軍で打率1割台、2年目の昨年も打率.226、0本塁打と伸び悩んでいた。しかし、今年は一軍キャンプに抜擢され、2月15日の広島戦では途中出場ながら3安打をマークすると、その後も4試合連続安打。昨年までは逆方向への安打が多かったが、今年はライトへ強烈な打球を飛ばすなど、打撃面で確かな成長を示している。

 3位指名の澤井 廉中京大中京-中京大)はルーキーイヤーから二軍で18本塁打を放ち、イースタンリーグ本塁打王に輝いた。だが、昨年は怪我の影響で大きく出遅れ、シーズン終盤に一軍でプロ初本塁打を放ったものの、打率.160に終わった。今年はコンタクトを重視した打撃フォームの改造に着手し、チームの対外試合第1号本塁打を記録。芯で捉えた時の打球速度はチーム随一であり、次期主軸候補の1人として期待されている。

 そのほか、プロ1年目に二軍で10本塁打を放った5位指名の北村 恵吾近江-中央大)や昨年5月に支配下登録を勝ち取った育成1位指名の橋本 星哉(興国-中央学院大)も打撃に定評があり、一軍争いに絡んできている。2022年ドラフトで指名を受けた野手で将来のクリーンアップが形成される可能性もありそうだ。

<一覧>2022年ドラフト・ヤクルト指名選手

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