18日に阪神甲子園球場(西宮市)で開幕する2025年春の第97回選抜高校野球大会(センバツ)の組み合わせが決まった。開幕を前に、1回戦の対戦カード別に対決の見どころを紹介していく。
昨年秋の公式戦15連勝で明治神宮大会優勝の横浜と、秋季近畿大会4強の市和歌山の対戦。優勝候補筆頭と呼ばれる横浜が優位と言われるなか、市和歌山が勝利をつかむには、エース右腕・土井 源二郎投手(3年)の活躍が不可欠となる。
直球の最速は140キロで、縦のカーブが大きな特徴。さらに投球の幅を持たせているのがカットボールだ。昨年秋の近畿大会で有効に働き、三田学園(兵庫)、立命館宇治(京都)相手に、2試合連続完封を成し遂げている。「無敵」の横浜打線が相手といえども、まったく臆することはない。
対する横浜打線の特徴の1つに、スタメン中、7人もしくは8人が左打者ということが挙げられる。プロ注目の大型外野手、阿部 葉太外野手(3年)をはじめ、奥村 凌大内野手(3年)に、骨折からの復帰が見込まれる4番候補の野中 蓮珠外野手(3年)など、左の強打者がズラリ。右腕の市和歌山・土井に襲い掛かる。昨年秋の関東大会では、東農大二(群馬)の最速143キロ、184センチ右腕の山田 琉聖投手(3年)や、健大高崎(群馬)の158キロ右腕、石垣 元気投手(3年)を攻略して勝ち上がっている。
横浜には奥村 頼人投手(3年)、織田 翔希投手(2年)の強力な左右投手がいて、市和歌山打線も、簡単に得点は望めない。すべては土井にかかっているといってもいいが、横浜打線も爆発力があるわけではなく、圧倒的な力があるとまでも言えない部分はある。土井が実力を十分に発揮できれば、接戦となる可能性は大いにある。
縦のカーブ、カットボールが武器の右腕・土井と、「左打線」ともいえる無敵の横浜打線。この対決を制した方が勝利に近づく。
【横浜の主な打者の昨秋公式戦成績】
阿部 葉太 15試合60打数20安打9打点0本塁打 打率.333
奥村 凌大 15試合49打数17安打13打点0本塁打 打率.347
為永 皓 13試合43打数10安打8打点1本塁打 打率.233
【市和歌山の主な投手の昨秋公式戦成績】
土井 源二郎 9試合59回35奪三振17失点(14自責) 防御率2.14
中谷 大翔 2試合6.2回3奪三振4失点(2自責) 防御率2.70
丹羽 涼介 3試合3回1奪三振0失点 防御率0.00