2025年春の第97回選抜高校野球大会(センバツ)は18日に阪神甲子園球場(西宮市)で開幕する。開幕を前に、1回戦の対戦カード別に対決の見どころを紹介していく。
ともにセンバツで優勝経験がある強豪校対決となったが、天理にはプロ注目の遊撃手がいる。1年春からベンチ入りしてきた赤埴 幸輝内野手(3年)は、安定したスローイングを中心にした守備をプロのスカウトから評価されている。もちろん打撃面でも「走攻守」でバランスが取れていると、高評価を受けている。
昨年秋の公式戦では、その打撃が見事に開花した。8試合で31打数15安打、打率は5割近い.484をマークした。1番打者としての仕事を見事に果たし、チームの勝利に貢献してきた。センバツでも守備はもちろん、バットでも素質の高さを見せてくれることだろう。
対する山梨学院としては、この男に仕事をさせては勝機が遠のく。完全に封じ込めることが、大会チーム打率5位の天理打線を黙らせる近道となる。2年生のエースともいえる菰田 陽生投手(2年)をはじめとした投手陣が、どこまで天理の1番打者を抑えられるか。唯一の左腕、加藤 優空投手(3年)も、ひとつのカギを握るかもしれない。昨年秋の公式戦では、天理は1番の赤埴に加え、2番・永末 峻也外野手(3年)、4番・冨田 祥太郎内野手(3年)が左打者。中軸に左打者を置く打線だけに、左腕の加藤がどこまで抑えられるかが、勝敗のカギを握るかもしれない。
山梨学院がどんな継投策で天理打線に立ち向かうのか。プロ注目の赤埴はマークされながら、どんな打撃を見せてくれるのか。この「対決」が強豪対決の行方を左右する。
【山梨学院の主な投手の昨秋公式戦成績】
菰田 陽生 5試合11.2回13奪三振2失点 防御率1.54
藤田 蒼海 5試合28回14奪三振6失点(4自責) 防御率1.29
加藤 優空 4試合7.1回5奪三振3失点(1自責) 防御率1.23
大友 陸 3試合5.2回5奪三振3失点 防御率4.76
【天理の主な打者の昨秋公式戦成績】
赤埴 幸輝 8試合31打数15安打4打点0本塁打 打率.484
永末 峻也 8試合23打数8安打8打点0本塁打 打率.348
冨田 祥太郎 8試合25打数9安打9打点1本塁打 打率.360