2025年春の第97回選抜高校野球大会(センバツ)は18日に阪神甲子園球場(西宮市)で開幕する。開催を前に、1回戦の対戦カード別に対決の見どころを紹介していく。

 第4日第1試合 広島商(広島)-横浜清陵(神奈川)

 大会出場校中、もっとも学校の創立(1899年)が古い広島商に、2004年に再編統合し21世紀枠として春夏通じて初の甲子園出場となった横浜清陵が挑む。昨秋の明治神宮大会で準優勝を果たした広島商に対して、神奈川県大会で唯一の8強となった横浜清陵がどう戦うのか。

 そのカギを握るのは、右横手投げのエース内藤 大維投手(3年)だと感じる。本来、三塁手だったが新チーム結成と同時に投手に転向。制球力が定まらなかったため、サイド気味へフォームを変更すると投球が安定して、昨秋は投手陣のなかでもっとも多い5試合に登板。完封1を含む2試合で完投勝利を挙げた。この独特なフォームがポイントになりそう。

 広島商打線で中軸が予想されるのは右打者。名越 貴徳外野手(2年)は、昨秋本塁打を放つなど長打力を発揮し4番として活躍した。14打点はチームダントツの数字を誇る。三田 桂慎外野手(2年)は打率3割を超え、チームトップの6盗塁をマークした。1番の小田 健登内野手(3年)や、明治神宮大会で5番に起用されたことがあった菅 太一外野手(3年)も右打者。主力級の右打者に対して、横浜清陵の内藤投手がどのような攻めを講じるのか。

 ともに機動力、犠打などを駆使し、確実に得点を重ねる攻撃が特徴。実績では格上の広島商が完全にペースを握れば、一方的な展開にもなりかねない。横浜清陵の内藤がどんな形でマウンドに上がり、右打者に対してどんな投球を見せるのか。その結果が勝敗を分けそうだ。

横浜清陵の主な投手の昨秋公式戦成績】

内藤 大維 5試合21.2回9奪三振4失点(3自責) 防御率1.25

西田 豪 4試合24.1回10奪三振6失点(4自責) 防御率1.48

広島商の主な打者の昨秋公式戦成績】

名越 貴徳 14試合50打数15安打14打点1本塁打 打率.300

三田 桂慎 14試合48打数18安打6打点6盗塁 打率.375

菅 太一 8試合13打数7安打3打点 打率.538