3月18日に開幕する第97回選抜高等学校大会の組み合わせが決まり、13日、甲子園練習が行われた。健大高崎、横浜、東洋大姫路、智弁和歌山の4校が優勝を狙えるAクラス。総合力ではこの4校に劣るかもしれないが、勢いで一気に上位進出を狙えるダークホースと呼ばれる学校がある。そんな学校を紹介していきたい。
センバツ甲子園優勝を狙える「Aクラス」4校の戦力を分析!東洋大姫路、横浜、健大高崎に並ぶ戦力を持つ強豪校は?
*4項目の評価の目安
【打撃】A:大量得点に期待 B:ある程度の得点は期待 C:ロースコア覚悟
【投手】A:3人以上の頼れる投手がいる B:2人の先発投手がいる C:絶対的投手、あるいは頼れる投手が1人しかいない
【走塁】A:ワンヒットで還る走力を持ち、盗塁にも期待 B:判断ミスは少なくそつない走塁 C:判断ミスが多く、走れる選手も少ない
【守備】A:基礎能力が高く、連携プレーにもスキがない B:各野手の基礎能力が高い C:ミスが見られる
経験者が多い青森山田、豊富な投手陣で勝負する高松商などが候補
高松商
打撃B 投手B 走塁B 守備B
高松商は制球力が高い末包 旬希投手(3年)、147キロ右腕・行梅 直哉投手(3年)の2人の存在が大きい。試合前半は末包がゲームメイクして、後半は行梅が締めるというパターンが確立している。さらに152キロ右腕・髙橋 友春投手(3年)が控えている。全国デビューが待ち遠しい逸材だが、髙橋は安定感に課題がある。実際昨秋は2試合しか登板していない。そのため接戦続きになると登板できるかは微妙だ。
打線はチーム打率.367と高打率を残しており、選球眼も高く、四国大会では打線もつながっていた。成績は良いが、パフォーマンスを見ると、優勝候補としてはパンチ力が欠ける。
成績、潜在能力は極めてAに近いチームであるが、優勝候補として期待すると、逆に持ち味を出せずに終わってしまうかもしれない。今の高松商はダークホースとしての立ち位置が良いのではないか。
センバツだけではなく、夏まで順調にいけば、全国を代表する大型チームになる可能性は持っている。
青森山田
打撃A 投手B 走塁B 守備B
昨夏甲子園ベスト4の青森山田は佐藤 洸史郎外野手(3年)、佐藤 隆樹外野手(3年)、蝦名 翔人内野手(3年)、菊池 伊眞内野手(3年)の主力が残っている。さらにこの4人の昨秋の公式戦打率は.350を超え、佐藤洸、菊池の2人は2本塁打を記録した。打撃成績だけではなく、スイングスピードも非常に速く、甲子園経験しているので、大舞台でも持ち味を発揮できる信頼感がある。
投手は下山 大昂投手(3年)、菊池 統磨投手(3年)、乕谷 朔ノ助投手(3年)の3投手が控える。計算は立つが、去年のエース・関 浩一郎投手(亜細亜大)と比べると物足りなさを感じる。
優勝候補・横浜と同ブロックに入ったが、想像以上の強打を発揮することが躍進のカギとなる。
広島商
打撃B 投手B 走塁B 守備B
昨秋の明治神宮大会では、広島商の持ち味である戦術多彩な攻め、機動力を活かし、主導権を握る試合運びで勝ち進んだ。右腕・大宗 和響投手(3年)、左腕・徳永啓人投手(3年)の2人でつないできた。打線は、アベレージヒッター・西村 銀士内野手(3年)、昨秋14打点を記録した右の強打者・名越 貴徳内野手(2年)が中心で、各打者の能力も高く、一発はないが、ライナー性の打球を多く放ち、着実に点を重ねる。全国でもかき回す攻撃が期待できる。
明徳義塾
打撃B 投手C 走塁B 守備A
初戦で健大高崎と対決する明徳義塾。試合巧者の一面を発揮し、健大高崎を破ると予想する声もある。技巧派左腕・池﨑 安侍朗投手(3年)の変化球を低めに集める投球術は絶品で、コンディションが万全な初戦で攻略するのは難しいだろう。さらに内野守備も堅い。ただ昨秋は池﨑に頼って勝ち上がってきたところがあり、優勝するには投手力、打撃力などが物足りない。ただダークホースとして、大会をかき回すだけの実力は備わっている。